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【バスケ】スペインピックとは?流行りの戦術の基本と動き方をわかりやすく解説

こんにちは!

NBA好きブロガーのおしょうサンドです。

 

世界中で多くのチームに使用されているオフェンス戦術「スペインピック」。

見方を壁のようにしてディフェンスを抜き去る「スクリーン」というプレイを活用した戦術であり、複数の得点手段があるためディフェンスにとっては非常に守りにくい攻撃となります。

今回は、そんな「スペインピック」について基本的な動きや注意点をわかりやすく解説していこうと思います。

実際にバスケをプレイする方はもちろん、戦術を知ってもっと試合観戦を楽しみたいという方にも分かるように解説していきますので、ぜひ最後までご覧くださいね!

それでは、ティップオフ!!

 

スペインピックとは?

「スペインピック」とは、従来のピック&ロールにさらにもう1枚のスクリーンを加えることで、ロールした選手がさらにフリーになりやすい形を作り出すオフェンスの戦術です。

正式名称は「ダブルスクリーン・ポップ&ロール」と呼ぶようですね!

”スペインピック”という名前の由来はバスケ強豪国「スペイン」。

2016年のリオデジャネイロオリンピックにて、スペイン代表がメインで使用していた戦術として有名になったため、この名称で呼ばれるようになりました。

ちなみに、この大会でスペインは銅メダルに獲得しています。

ピック&ロールはガードとビックマンが2人で展開する2対2を制するための戦術でしたが、そこにコーナーで待機していた3人目の選手を参加させることで、より複雑で守りにくいオフェンスを構築しました。

 

スペインピックの動き方は?スクリーナーにスクリーンする動き方2パターンを解説

ここからは「スペインピック」の動き方についてご紹介していこうと思います。

「スペインピック」は基本的には従来のピック&ロールにもう1枚のスクリーンを加えるというもの。

”スクリーン・スクリナー”と呼ばれるプレイの1つでありディフェンスに的を絞らせない、最も守りづらいオフェンスの1つですね!

ただし、スペインピックは”2枚目のスクリーン”をかける場所によって大きく2種類のパターンに分けられます。

  1. 1枚目のスクリーンをかけた選手に2枚目のスクリーンを用意する
  2. ハンドラーに2枚目のスクリーンを用意する

ここではそれぞれのパターンについて詳しく解説していこうと思います!

 

スペインピックの動き方(パターン①)

まずは一般的に「スペインピック」と呼ばれる、”1枚目のスクリーンをかけた選手に2枚目のスクリーンを用意する”プレイについて解説していこうと思います。

分かりやすくするために、ここではボールを持った選手を「ハンドラー」、1枚目のスクリーンをかける選手を「ロールマン」、2枚目のスクリーンをかける選手を「スクリナー」と呼ぶこととします。

 

【スペインピックの動き方(パターン①)】

  1. ハンドラーに対してロールマンがスクリーンをかける(従来のピック&ロールを仕掛ける)。
  2. ハンドラーがドライブで切り込むと同時に、スクリナーがロールマンのディフェンダーにスクリーンをかける。
  3. フリーとなったロールマンは”ロール(ゴールに向かって走り込むこと)”をする。
  4. スクリナーは3ポイントライン付近まで”ポップアウト(ゴールから遠ざかる動き)”をする。

この動きにより、通常のピック&ロールに比べてロールマンがフリーになりやすく、ゴール下でのチャンスが大きく高まります。

また、ハンドラーには「自分で得点する」、「ロールマンにパスする」、「アウトサイドで待つチームメイトにパスする」という3つの選択肢があり、ディフェンス側にとっては非常に的が絞りにくいオフェンスとなるのです。

 

スペインピックの動き方(パターン②)

続いて、”ハンドラーに2枚目のスクリーンを用意する”プレイについて解説していこうと思います。

 

【スペインピックの動き方(パターン②)】

  1. ハンドラーに対してロールマンがスクリーンをかける(従来のピック&ロールを仕掛ける)。
  2. ロールマンは”ロール(ゴールに向かって走り込むこと)”をする。
  3. ディフェンスがドライブしたハンドラーについてこようとする。
  4. 少し遅れてスクリナーがハンドラーに2枚目のスクリーンをかける。
  5. スクリナーは3ポイントライン付近まで”ポップアウト(ゴールから遠ざかる動き)”をする。

ハンドラーに2枚のスクリーンをかけることで、ハンドラーがゴール下でフリーになりやすい状況を作るというわけですね!

 

スペインピックの注意点を解説

ここまで「スペインピック」の動き方について解説してきました。

単純ながら守るのが難しい、強力なオフェンスだということが分かっていただけたのではないでしょうか。

ただ、スペインピックはチャンスが作りやすい分、実際の試合で活用するにはそれ相応の難しさがあります。

ここでは、そんなスペインピックを実際に使用する場合の注意点を3つ解説していこうと思います!

 

【スペインピックの注意点3選】

  • 元来のピック&ロールよりもスペースが狭いのでダイブの邪魔になる
  • 2人目のスクリーナーの動きやタイミングが重要
  • ボールマンの状況判断能力が重要

 

元来のピック&ロールよりもスペースが狭いのでダイブの邪魔になる

スペインピックの最大のメリットは、数的有利な状態でゴール下にドライブすることができる点にあります。

ただ、注意したいのがドライブした際のスペースの狭さ。

元来のピック&ロールでも、ロールマンがダイブ(”ロール”と同じ)した際にもう1人のビックマンが邪魔になってしまうケースがたまにあるんですよね。

スペインピックはさらに多くの選手が関わるプレイですから、スペースが狭くなるのは必然。

スペースが狭くなると途端にプレイの幅が狭くなり、オフェンスが失敗する確率も上がってしまいますよね・・・。

スペインピックを使用する際には、オフェンスがスタートする段階からできる限りコートを広く使い、スペースを確保した状態で始めるようにしましょう!

他にも、3ポイントが打てるビックマンであればアウトサイドへ移動させることでスペースを広げることも可能です。

 

2人目のスクリーナーの動きやタイミングが重要

スペインピックのみならず、”スクリーン・スクリナー”と呼ばれる複数のスクリーンを活用するプレイでは「タイミング」が最も重要です。

特に2枚目にスクリーンをかけるプレイヤーには非常に重要な役割があります。

ただ漠然とスクリーンをかけるのではなく、「ポジショニング」や「角度」、「タイミング」を考えてディフェンスが最も嫌がるであろうスクリーンをかける。

これができなければ、ただスペースを潰すだけの存在になってしまうというわけですね。

また、スクリーンをかけたら終わりではなく、外へポップアウトしながらアウトサイドシュートを狙う必要もあるため、ハンドラーの次に多くのスキルを求められる役割と言っても過言ではないでしょう!

 

ボールマンの状況判断能力が重要

スペインピックは、多くの選択肢を作ることでディフェンスに的を絞らせないことが魅力のオフェンス戦術です。

ハンドラー自身のドライブ、ロールマンのダイブ、スクリナーのポップアウト、シューターのコーナー待機など、ワンプレーで数多くの得点チャンスを生み出すことができます。

ただ、生じた得点チャンスを適切に活かせるかどうかはハンドラーのスキル次第。

ディフェンスの対応を把握し、最も得点につながりやすい場所へ適切なパスを供給することができるかどうかが”成功の鍵”と言えるでしょう!

 

スペインピックはゾーンの攻略にも使える

ここからは「スペインピック」の応用について解説していきます。

 

スペインピックは汎用性が高いプレイ

スペインピックは非常に汎用性が高いプレイです。

基本はハンドラーにピックが行く、ロールマンがダイブする、スクリナーがロールマンにスクリーンをかけるという3人で2枚のスクリーンをかける動きですが、その応用は様々。

代表的なものとしては、「オフボールの選手同士で行うスペインピック」や「ゾーンディフェンスに対して行うスペインピック」などがあります。

基本を理解すると、その応用のプレイも理解することができるようになり、プレイや観戦がより楽しいものになるはずですよ!

 

オフボールの選手同士でも使える

スペインピックの動きはオフボールの選手をフリーにするためにも使用することができます。

2人の選手が連続でカッティング(ゴール下に走り込むこと)することでディフェンスに混乱を起こし、フリーになった味方にハンドラーがパスを出すというオフェンス。

こういったスクリーンを活用したプレイは、1人の選手を1人のディフェンスが追いかけてくれる”マンツーマンディフェンス”だからこそ大きな効果を発揮していると言えるでしょう。

 

スペインピックは「ゾーン」にも使える

スペインピックのようなスクリーンを使うオフェンスは、ついてくるディフェンスを引き剥がすという性質上「マンツーマンディフェンス」に対して高い効果を示します。

※マンツーマンディフェンス:各選手が常に特定の1人の相手選手に1対1でマークし続けるディフェンス

一方、ディフェンダー1人1人が決められたエリアを守る「ゾーンディフェンス」には効果が薄いと考えられます。

しかし、走り込むスペースとそこにパスを出す手段さえあれば、たとえゾーンディフェンスでも攻略が可能だと言えるでしょう。

具体的なプレイの動きはこの後ご紹介していこうと思いますよ!

 

スペインピックでゾーンを攻略するにはゾーンの中心にスクリーンを

ではスペインピックでゾーンディフェンスを攻略するためにはどのように動けば良いのでしょうか?

ポイントは「ゾーンの中心にスクリーンを配置すること」。

簡単にいうと、ゾーンディフェンスを縦半分に分断するイメージですね。

これによりゾーンディフェンスを引きつけることができ、空いたスペースに向かってロールマンが走り込むことでフリーの状況を作りだすことが可能ですよ!

タイミングが非常に大事ですが、虚をつけば確実に2点を取ることができるオフェンスになるはずです。

 

さいごに|スペインピックとは?基本と動き方をわかりやすく解説

今回は「スペインピック」の動き方や注意点について解説してきました。

いかがでしたでしょうか?

スペインピックは3人以上の選手が絡む、やや上級者向けのオフェンス戦術であり、選手個々の能力が大きく大きく影響するプレイです。

特にハンドラーにはどうしても多くのスキルが求められるため、ハンドラーが高いスキルを持っているチームにはオススメな戦術といえそうですね!

また、ピック&ロールを得意とするチームにとっては取り入れやすい戦術だと思いますので、練習をしてみてはいかがでしょうか?

2016年にスペイン代表が使用した際には画期的な戦術であったものの、現在は世界中のチームが使用する王道オフェンスの1つになっています。

自分たちが使用しなくても相手が使ってくる可能性はありますので、必ず動きを知っておくようにしましょう!

それではまた次の記事でお会いしましょう!!

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