NBA伝説の男たち

【NBA選手紹介】クリス・ウェバー:類稀な才能を持ち、力強くも華麗なプレーでキングス黄金期の立役者となったパワーフォワード

NBA史上最も見ていて楽しいチームの1つであった2001-02シーズンのサクラメント・キングス。

後にNBA3連覇を果たしたシャックとコービーのロサンゼルス・レイカーズに唯一対抗できるチームと言われていた黄金期キングスの中核をになっていたビックマンが「クリス・ウェバー」です。

類稀な才能を持ち、近代パワーフォワードのパイオニアとも言えるオールラウンド性を持ちながら、怪我に悩まされ、満足のいくキャリアを送ることのできなかったウェバーですが、健康な状態で出場している時のプレーは間違いなくNBAトップクラスであり、多くのファンの記憶に残っている選手の1人だと思います。

 

この記事では2021年にバスケットボール殿堂入りを果たしたレジェンド「クリス・ウェバー」はどんな選手だったのかをご紹介します。

クリス・ウェバーのプレイスタイルはもちろん、大学時代やNBA時代のキャリアや着用してしたバッシュなどの情報をまとめていますので、興味のある方はぜひ最後までご覧くださいね!

 

クリス・ウェバーってどんな選手?プレイスタイルは?

1990年代〜2000年代を中心に活躍したパワーフォワードであり、当時優勝からは程遠いチームだったサクラメント・キングスを優勝候補の一角にまで押し上げたスーパースターです。

残念ながらシャックとコービーのロサンゼルス・レイカーズに敗れNBA優勝を果たすことができませんでしたが、当時NBAの覇権を握っていたレイカーズを唯一脅かすチームとしてNBAでも屈指の人気を誇っていました。

 

高い身体能力と広い視野から繰り出されるパス、相手を翻弄するボールハンドリング技術に広いシュートレンジ。

インサイド主体に戦うことが一般的だった当時のパワーフォワードというポジションの常識を覆した近代型パワーフォワードのパイオニアであり、個人としても5度のオールスター選出、5度のオールNBAチーム選出、1度のリバウンド王受賞という輝かしいキャリアを送っています。

 

ただ、一方でキャリアを通じて怪我に悩まされたスター選手としても知られ、15年のNBAキャリアの中で出場試合はわずか831試合とかなり少なめ。

もしクリス・ウェバーが怪我がちでなかったら・・・という妄想はNBAファンにとってたまらない話題の1つでしょう。

ただ、キングスの黄金期を支え、2021年にバスケットボール殿堂入りを果たしたウェバーは、間違いなく後世に語り継がれるレジェンドん1人だと思います。

 

ミシガン大学時代:「ファブ・ファイブ」のエースとして全米スターに

クリス・ウェバーを語る上で大学時代の活躍は外せません。

高校時点で全米トップの評価を受け、アメリカ合衆国男子高校バスケットボール界の年間最優秀選手賞である「ミスター・バスケットボールUSA」を受賞するほどの選手であったウェバーは全国の大学からのスカウトを受けていた 地元ミシガン州にあり、全国屈指のバスケ強豪校ミシガン大学に進学。

ミシガン大学ではジョシュ・ハワード、ジェイレン・ローズらとともに「ファブ・ファイブ」と呼ばれ、スターターが全員1年生ながらアメリカの全国大会であるNCAAトーナメントの決勝に進出した実績やそのストリートなスタイルから異常な人気を博すチームとなりました。

 

そんなファブ・ファイブのエースとして活躍したハワードは当然NBAスカウトからも注目の的であり、満を持して1993年のNBAドラフトにエントリー。

ドラフトでは全体1位でオーランド・マジックに指名を受け、NBAの世界に入っていくことになるのです。

 

NBA時代の活躍

大学では輝かしいキャリアを送ったクリス・ウェバー。

ここからはそんな彼のNBA時代の活躍についてご紹介していこうと思います。

 

ゴールデンステイト・ウォリアーズ時代:ドラフト1位指名を受けるも1年で放出されてしまう

1993年NBAドラフト全体1位でオーランド・マジックにドラフトされたクリス・ウェバーでしたが、当時のマジックが本当に欲しいと思っていたのはその年全体3位で指名を受けたペニー・ハーダウェイであり、ドラフト直後にウェバーはゴールデンステイト・ウォリアーズにトレードされることに。

この時ウェバーは事前にトレードされる事実を知らされておらず、おまけにこれまでドラフト1位が他チームにトレードされることなどあり得なかったことから、ウェバー本人のショックはとても大きかったことでしょう。

 

ルーキーシーズンから平均17.5得点を記録して新人王に輝いたウェバーでしたが、チームを信頼することができず、特にヘッドコーチのドン・ネルソンとは大きな確執を生んでしまいます。

最終的にはウェバーがウォリアーズのトレーニングキャンプに参加しなかったことがきっかけとなり、一時は世代No.1選手として栄光のドラフト1位指名を受けたウェバーはNBA入りわずか1年で再びトレードされることとなったのでした。

 

ワシントン・ブレッツ時代:NBAトップクラスの実力を持ちながらチームと信頼関係を築けず

NBA入り2年目にしてワシントン・ブレッツへ移籍することになったクリス・ウェバー。

実力はあるものの曲者扱いされ始めてしまっていたウェバーに追い討ちのようにのしかかったのは、この後キャリアを通じて彼を苦しめる「怪我」でした。

結局ワシントン・ブレッツでは4シーズンを過ごすことになりますが、最初の2シーズンは怪我で出場機会が限定されてしまいます。

 

1996-97シーズン、久しぶりに健康な状態でシーズンを開け抜けたウェバーはワシントン・ブレッツを9年ぶりとなるプレイオフに導きましたが、プレイオフでは1回戦でこの年優勝するマイケル・ジョーダンのシカゴ・ブルズに1勝もできずに敗退。

翌年はウェバー自身は素晴らしいシーズンを過ごしたものの、チームはプレイオフを逃すこととなり、勝てないチーム状況に不満を持っていたウェバーがチームを出ていきたいと意思表示をしたことでトレードが発生。

ウォリアーズに続きワシントンでもチームとの信頼関係を築くことができなかったウェバーはキャリア5年目にして早くも2度目のチーム移籍を経験することとなるのでした。

 

サクラメント・キングス時代:キングス黄金期の中心メンバーに

ここまでチームと馬が合わず腫れ物扱いをされていたウェバーでしたが、3度目の正直で辿り着いたサクラメント・キングスにおいてキャリアの転換期を迎えることになります。

ただ、ウェバーとキングスは最初からうまく行ったわけではなく、むしろウェバーの移籍時点ではNBA最弱チームの1つで、かつ決して大きな都市ではないサクラメントに本拠地を置くキングスへの移籍をウェバーは心から嫌がっており、入団会見でいきなり「ずっとこのチームにいるつもりはない」と言い放つほどだったそうです。

 

ただ、そんなウェバーの心を魅了したのが当時キングスに所属していたガードのジェイソン・ウィリアムズでした。

ジェイソン・ウィリアムズといえば「パスの魔術師」としてご存知の方も多いと思いますが、ウェバーもまたそんなウィリアムズのパスに魅了された人間の1人だったのです。

ウェバーとウィリアムズのコンビは弱小だったキングスを一気にプレイオフに出場するチームに押し上げ、パスと速攻を多用した派手なスタイルのバスケは多くのNBAファンを熱狂させました。

 

しかし、別れは唐突に訪れます。

プレイオフで当時NBA最強チームであったシャックとコービーのロサンゼルス・レイカーズに1勝もできずに敗退したチームを見て、キングスの運営陣はジェイソン・ウィリアムズとトレードにより堅実なポイントガードを獲得することを決断。

相棒との悲しい別れとは裏腹にチームは確実に優勝を狙えるような強豪チームへと変貌し、リーグ1位の勝率を叩き出してプレイオフへと進みました。

プレイオフでも破竹の活躍を残したキングスはカンファレンス・ファイナルへと駒を進め、再び最強レイカーズと相間見えることに。

「2002年のサクラメント・キングス vs. ロサンゼルス・レイカーズのカンファレンス・ファイナル」と言えば、NBA史に残る大波乱の一戦としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

両者互角で迎えた第6戦、後々発覚する八百長によってレイカーズ有利に働いたジャッジに苦しめられ、そのままレイカーズに競り負けたキングスは、そのまま第7戦も落とし、NBA優勝の夢をまたしても逃してしまうのでした。

 

翌年以降、ウェバーは左膝半月板損傷の大怪我をきっかけに衰えの一途を辿ることになります。

マイク・ビビーとペジャ・ストヤコビッチというチームの中核となる選手が他にもいたことから落ち目となったウェバーにキングスでの居場所はなく、激闘のNBAカンファレンス・ファイナルからわずか3年でウェバーはキングスを去ることになってしまったのでした。

 

フィラデルフィア・76ers時代以降:アレン・アイバーソンとのデュオは不発、そして引退へ

フィラデルフィア・76ersにトレードされたウェバーはNBA屈指のスコアリングマシーンであったアレン・アイバーソンとデュオを組むことになりますが、ウェバー自身が全盛期とは程遠い実力しか発揮することができず、不発に終わります。

ファンの期待が大きかっただけに失望も大きく、その後はトレードを繰り返してデトロイト・ピストンズを経てゴールデンステイト・ウォリアーズへ戻ることとなり、最後は自信をドラフトしたウォリアーズで引退を迎えることになりました。

 

全盛期は圧倒的な実力を持ち、トレードのたびに多くのチームからオファーを受けながらも、結局一度もNBA優勝を果たすことができなかったクリス・ウェバー。

NBAで活躍できる実力を持ちながら、怪我による衰えを隠せず引退することになってしまったキャリアでしたが、2002年のサクラメント・キングスでの活躍や現代パワーフォワードのパイオニアとも言えるそのオールラウンドなプレイスタイルは間違いなくファンの心に残っていることでしょう。

 

クリス・ウェバーのバッシュを紹介!シグネチャーモデルはある?

NBA屈指の実力を持ち、現代パワーフォワードのパイオニアとも言えるオールラウンドなプレースタイルで活躍したクリス・ウェバー。

特に大学でのファブ・ファイブ時代や全盛期のサクラメント・キングス時代の人気は凄まじく、熱狂的なファンも多くいた選手の1人です。

 

そんなウェバーは現役時代NIKE(ナイキ)との専属契約を結んでおり、NBA入りしてわずか2年後の1995年にNIKE(ナイキ)からシグネチャーモデル「Air Max CW(エア マックス シーダブリュー)」がリリースされています。

残念ながらシリーズ化されることはなく1作品のみの販売となってしまいましたが、シグネチャーモデルがリリースされるのはNBAでもごくわずかな選手のみであり、その事実だけでも人気の高さが伺えるでしょう。

2015年には「Air Max Sensation(エア マックス センセーション)」と名称を変えて復刻版がリリースされましたが、現在は製造されておらず、オークションサイトで中古品のみ購入が可能となっていますよ!

 

クリス・ウェバーのキャリアスタッツ

最後に、クリス・ウェバーのキャリアスタッツについて「レギュラーシーズン」と「プレーオフ」とに分けてご紹介します。

 

レギュラーシーズン(1993-49シーズン〜2007-08シーズン)

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
93-94 20 GSW 76 32.1 17.5 9.1 3.6 55.2% 0.0% 53.2% 1.2 2.2 2.7
94-95 21 WSB 54 38.3 20.1 9.6 4.7 49.5% 27.6% 50.2% 1.5 1.6 3.1
95-96 22 WSB 15 37.2 23.7 7.6 5.0 54.3% 44.1% 59.4% 1.8 0.6 3.3
96-97 23 WSB 72 39.0 20.1 10.3 4.6 51.8% 39.7% 56.5% 1.7 1.9 3.2
97-98 24 WAS 71 39.6 21.9 9.5 3.8 48.2% 31.7% 58.9% 1.6 1.7 2.6
98-99 25 SAC 42 40.9 20.0 13.0 4.1 48.6% 11.8% 45.4% 1.4 2.1 3.5
99-00 26 SAC 75 38.4 24.5 10.5 4.6 48.3% 28.4% 75.1% 1.6 1.7 2.9
00-01 27 SAC 70 40.5 27.1 11.1 4.2 48.1% 7.1% 70.3% 1.3 1.7 2.8
01-02 28 SAC 54 38.4 24.5 10.1 4.8 49.5% 26.3% 74.9% 1.7 1.4 2.9
02-03 29 SAC 67 39.1 23.0 10.5 5.4 46.1% 23.8% 60.7% 1.6 1.3 3.2
03-04 30 SAC 23 36.1 18.7 8.7 4.6 41.3% 20.0% 71.1% 1.3 0.9 2.6
04-05 31 合計 67 35.4 19.5 9.1 4.7 43.3% 34.1% 79.4% 1.4 0.8 2.7
04-05 31 SAC 46 36.3 21.3 9.7 5.5 44.9% 37.9% 79.9% 1.5 0.7 2.9
04-05 31 PHI 21 33.4 15.6 7.9 3.1 39.1% 26.7% 77.6% 1.2 0.9 2.3
05-06 32 PHI 75 38.6 20.2 9.9 3.4 43.4% 27.3% 75.6% 1.4 0.8 2.4
06-07 33 合計 61 29.9 11.2 7.2 3.1 45.2% 36.4% 63.8% 1.0 0.7 1.8
06-07 33 PHI 18 30.2 11.0 8.3 3.4 38.7% 40.0% 64.3% 1.0 0.8 1.8
06-07 33 DET 43 29.7 11.3 6.7 3.0 48.9% 33.3% 63.6% 1.0 0.6 1.7
0708 34 GSW 9 14.0 3.9 3.6 2.0 48.4% 41.7% 0.4 0.7 1.2

参照:BASKETBALL REFERENCE

 

近代バスケで重要視されているオールラウンドな活躍をするパワーフォワードの先駆けとなった「クリス・ウェバー」。

怪我がちなキャリアではあるものの出ていればNBA屈指の強さを発揮し、全盛期となったサクラメント・キングス時代には平均25得点以上を残しながら10リバウンド、5アシスト、1.5スティール、1.5ブロックと攻守にわたって高い存在感を発揮しました。

また、1998-99シーズンには2.1ブロックを残し、キャリア唯一のブロック王を受賞しています。

 

プレイオフ(計10シーズン)

シーズン 年齢 チーム 出場試合 出場時間 得点 リバウンド アシスト FG確率 3PT確率 FT確率 スティール ブロック TO
93-94 20 GSW 3 36.3 15.7 8.7 9.0 55.0% 0.0% 30.0% 1.0 3.0 3.0
96-97 23 WSB 3 35.3 15.7 8.0 3.3 63.3% 45.5% 50.0% 0.7 2.3 5.3
98-99 25 SAC 5 38.4 14.8 9.4 4.0 38.8% 28.6% 40.0% 1.8 1.0 4.0
99-00 26 SAC 5 39.2 24.4 9.6 5.4 42.7% 20.0% 79.4% 1.6 2.0 1.6
00-01 27 SAC 8 43.5 23.3 11.5 3.1 38.8% 0.0% 69.4% 1.1 1.0 3.9
01-02 28 SAC 16 41.7 23.7 10.8 4.7 50.2% 0.0% 59.6% 0.9 1.6 2.9
02-03 29 SAC 7 35.1 23.7 8.3 3.6 49.6% 0.0% 65.3% 1.4 1.1 3.3
03-04 30 SAC 12 37.2 18.4 8.3 3.7 45.2% 25.0% 61.5% 1.3 0.8 3.2
04-05 31 PHI 5 37.2 19.0 5.8 2.8 41.1% 35.7% 75.0% 1.2 0.2 2.2
06-07 33 DET 16 25.3 9.9 6.3 1.5 52.4% 0.0% 53.1% 0.9 0.6 1.6

参照:BASKETBALL REFERENCE

 

キャリアを通じて強豪チームに身を置くことはなかったものの、黄金期のサクラメント・キングスをはじめクリス・ウェバーを中心としたチームがプレイオフへ出場する実力まで成長することが多く、プレイオフへの出場回数はかなり多い選手です。

ただ、プレイオフでの戦績はそれほど芳しくなく、唯一カンファレンス・ファイナルでレイカーズと激闘を演じた2001-02シーズンのみがNBA優勝に手が届きそうなシーズンだったと言えるでしょう。

キングスは2026年時点でもあの時ほど優勝に血がづいたシーズンはないため、あの時キングスが優勝していればその後の歴史も大きく変わっていたかもしれませんね!

 

まとめ

広いシュートレンジやパス、ドライブなどで近代パワーフォワードのパイオニアとなった「クリス・ウェバー」。

類稀な才能を持ちながら怪我に悩まされるキャリアにはなってしまったものの、華やかなプレーでチームを牽引する姿は多くのファンを虜にた選手でした。

 

大学時代から「ファブ・ファイブ」のエースとして注目され、ドラフト1位指名を受けたかと思えばチームの策略に巻き込まれ。

決して順風満帆なキャリアではなかったものの、サクラメント・キングスで見せた黄金期には間違いなくその時代を代表する選手の1人であったと思います。

優勝ができなかったことが悔やまれますが、その後NBA3連覇を果たした最強チームをあそこまで追い詰めたという実績は本物で、これほど印象に残っている敗退チームはNBAの歴史上でもなかなかないでしょう。

 

クリス・ウェバーのプレーを見たことがないという方はYouTubeなどに動画がたくさん載っていますので、ぜひ一度見に行ってみてくださいね!

-NBA伝説の男たち