“派手な髪色の丸坊主”というファンキーなファッションがトレードマークである「デニス・ロッドマン」。
どうしてもその見た目や素行の悪さに目がいってしまう選手ではありますが、ひとたびコートに入れば高いバスケットボールIQと脅威の運動能力でリバウンドを奪取する史上最高のリバウンダーへと変貌します。
バスケ好きなら一度は名前を聞いたことがある選手だとは思いますが、最近NBAを見始めたばかりの方は実際にどれほどすごい選手だったのかを知らないケースも多いはず。
そこでこの記事では、デニス・ロッドマンが現役時代どんな選手だったのかを詳しくご紹介していこうと思います。
彼が残した功績からプレーの魅力までデニス・ロッドマンの全てを語っていきますので、興味のある方はぜひ最後までご覧くださいね!
目次
“The Worm(ザ・ワーム)”の愛称を持つ史上最高のリバウンダー
歴代最長となる7年連続でのリバウンド王受賞という実績から“NBA史上最高のリバウンダー”の呼び声も高いレジェンド「デニス・ロッドマン」。
相手にまとわりつくように見えるほどの粘着質なディフェンスを展開する姿から敬意を込めて“The Worm(イモムシ)”の愛称で呼ばれており、そのディフェンス力はキャリアで2度の最優秀守備選手賞を受賞するほどです。
ディフェンスやリバウンドに異常なまでの執着を見せる一方で得点には全く興味を示さない選手として知られ、得点よりもリバウンド数の方が圧倒的に多い試合もロッドマンの場合は珍しくありません。
それでもチームへの貢献は確かなもので、デトロイト・ピストンズとシカゴ・ブルズで果たした計5回のNBA優勝は圧巻の一言。
色々な問題は起こしたものの、チームに優勝をもたらした功績はそのマイナスを補って余りあるものであり、デトロイト・ピストンズで着用していた背番号「10」が永久欠番になるだけでなく、2011年にはバスケットボール殿堂入りも果たしました。
【デニス・ロッドマンの主な功績】
NBAチャンピオン:5回(1989, 1990, 1996, 1997, 1998)
オールスター:2回(1990, 1992)
オールNBAチーム
・サードチーム:2回(1992, 1995)
最優秀守備選手賞:2回(1990, 1991)
オールディフェンシブチーム
・ファーストチーム:7回(1989〜1993, 1995, 1996)
・セカンドチーム:1回(1994)
リバウンド王:7回(1992〜1998)
5度のNBA制覇を果たしたNBAキャリアを解説
ディフェンダーとして非常に高い評価を受けていたデニス・ロッドマンですが、彼の最大の功績はやはり「5度のNBA優勝」でしょう。
なぜロッドマンがそれほど多くのリングを獲得することができたのかを明らかにするために、彼の歩んだ偉大なキャリアを前半と後半にわけで簡単にご紹介していこうと思います。
キャリア前半:“バッドボーイズ”の一員として連覇達成
1986年NBAドラフトにて全体27位で指名を受け、デトロイト・ピストンズに入団したデニス・ロッドマン。
この時期のピストンズはチャック・デイリーヘッドコーチの元急成長中のチームであり、アイザイア・トーマスやビル・レインビアというスター選手を中心にハードファウルも厭わないやや乱暴なディフェンスを展開することから“バッドボーイズ”という異名で知られていました。
そんなリーグの嫌われ者チームの中でロッドマンはNBAレベルでもリバウンドが取れることを証明し、キャリア4年目にはオールディフェンシブファーストチーム、5年目には最優秀守備選手賞を受賞するなどリーグ最強のディフェンダーへと成長。
強固なディフェンスが売りのチームのエースディフェンダーとして活躍し、ピストンズの連覇に大きく貢献しました。
残念ながら“バッドボーイズ”の時代はそう長くは続きませんでしたが、面白いことにデニス・ロッドマンの栄冠はこれだけでは終わらなかったのです。
キャリア後半:後期“王朝”ブルズのメンバーとして3連覇を成し遂げる
デトロイト・ピストンズからサンアントニオ・スパーズに移籍したもののいまいちフィットしなかったロッドマンが次に選んだ移籍先こそが、すでに3連覇を達成し"王朝”と呼ばれる時代を築いていたシカゴ・ブルズでした。
実はこのブルズこそが“バッドボーイズ”を解散に追いやった宿敵であり、ロッドマンは奇しくもわずか3年後にかつて自分の3連覇を阻んだチームへと加入することとなったのです。
加入当初はブルズファンに大いに嫌われていたロッドマンでしたが、フィル・ジャクソンヘッドコーチが展開する複雑な戦術「トライアングル・オフェンス」を持ち前のバスケットボールIQですぐさま理解しチームに貢献してみせると、ブーイングは次第に歓声へと変わっていきました。
マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンと共に結成したブルズの新BIG3は通称「レッドアサルト」という愛称で恐れられ、チームも2度目のスリーピート(3連覇)を達成。
マイケル・ジョーダンの引退と共に“王朝”も終わりを迎え、その2年後ロッドマンも後を追うように輝かしいNBAキャリアの終わりを宣言したのでした。
デニス・ロッドマンって何が凄いの?プレーの魅力を3つ紹介
ここまで読んでいただいた方々にはデニス・ロッドマンがどんな選手だったのかはなんとなく分かっていただけたのではないでしょうか?
ここからは、そのイメージをより鮮明にしていただくために、ロッドマンという選手のプレーの魅力を3つ厳選してご紹介したいと思います。
プレーの魅力①:圧倒的な「リバウンド力」
デニス・ロッドマンといえば、その圧倒的な「リバウンド力」を語らないわけにはいかないでしょう。
彼のリバウンド能力は、まずキャリアスタッツを見ていただいた方が早いと思います。
【レギュラーシーズンのスタッツ】
| シーズン | チーム | 出場試合 | 先発出場 | 出場時間 | フィールドゴール% | スリーポイント% | フリースロー% | オフェンスリバウンド | ディフェンスリバウンド | 合計リバウンド | アシスト | スティール | ブロック | 得点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1986–87 | DET | 77 | 1 | 15.0 | .545 | .000 | .587 | 2.1 | 2.2 | 4.3 | .7 | .5 | .6 | 6.5 |
| 1987–88 | DET | 82 | 32 | 26.2 | .561 | .294 | .535 | 3.9 | 4.8 | 8.7 | 1.3 | .9 | .5 | 11.6 |
| 1988-89 | DET | 82 | 8 | 26.9 | .595 | .231 | .626 | 4.0 | 5.4 | 9.4 | 1.2 | .7 | .9 | 9.0 |
| 1989-90 | DET | 82 | 43 | 29.0 | .581 | .111 | .654 | 4.1 | 5.6 | 9.7 | .9 | .6 | .7 | 8.8 |
| 1990–91 | DET | 82 | 77 | 33.5 | .493 | .200 | .631 | 4.4 | 8.1 | 12.5 | 1.0 | .8 | .7 | 8.2 |
| 1991–92 | DET | 82 | 80 | 40.3 | .539 | .317 | .600 | 6.4 | 12.3 | 18.7 | 2.3 | .8 | .9 | 9.8 |
| 1992–93 | DET | 62 | 55 | 38.9 | .427 | .205 | .534 | 5.9 | 12.3 | 18.3 | 1.6 | .8 | .7 | 7.5 |
| 1993–94 | SAS | 79 | 51 | 37.8 | .534 | .208 | .520 | 5.7 | 11.6 | 17.3 | 2.3 | .7 | .4 | 4.7 |
| 1994–95 | SAS | 49 | 26 | 32.0 | .571 | .000 | .676 | 5.6 | 11.2 | 16.8 | 2.0 | .6 | .5 | 7.1 |
| 1995-96 | CHI | 64 | 57 | 32.6 | .480 | .111 | .528 | 5.6 | 9.3 | 14.9 | 2.5 | .6 | .4 | 5.5 |
| 1996-97 | CHI | 55 | 54 | 35.4 | .448 | .263 | .568 | 5.8 | 10.2 | 16.1 | 3.1 | .6 | .3 | 5.7 |
| 1997-98 | CHI | 80 | 66 | 35.7 | .431 | .174 | .550 | 5.3 | 9.3 | 15.0 | 2.9 | .6 | .2 | 4.7 |
| 1998–99 | LAL | 23 | 11 | 28.6 | .348 | .000 | .436 | 2.7 | 8.5 | 11.2 | 1.3 | .4 | .5 | 2.1 |
| 1999–00 | DAL | 12 | 12 | 32.4 | .387 | .000 | .714 | 4.0 | 10.3 | 14.3 | 1.2 | .2 | .1 | 2.8 |
| 通算 | 911 | 573 | 31.7 | .521 | .231 | .584 | 4.8 | 8.4 | 13.1 | 1.8 | .7 | .6 | 7.3 | |
見ていただきたいのは当然「合計リバウンド」の欄。
特に7年連続でのリバウンド王を受賞した1991–92シーズン〜1997-98シーズンの間はずっとほぼ15リバウンド以上を記録するなど、史上最高のリバウンダーに相応しい記録を残しています。
参考までに2025-26シーズンのリバウンド王を受賞したドマンタス・サボニスが 13.9リバウンドですので、その数字の異常さがわかりますね。
この得点の3倍近いリバウンドをとっている感じがいかにもデニス・ロッドマンらしいスタッツだなと思います。笑
プレーの魅力②:すべてのポジションを守れる「ディフェンス力」
続いていご紹介するプレーの魅力は、すべてのポジションを守れる「ディフェンス力」です。
バスケットボールでは機動力や高さの弱点を突かれないようにするため、ディフェンスをする際には基本的に同じくらいの身長の選手をマークするもの。
しかし、デニス・ロッドマンは高い機動力と強靭なフィジカルを併せ持ち、文字通り1番(ポイントガード)から5番(センター)まで守れる選手だったのです。
相手のエースがどのポジションであってもマッチアップすることができ、“The Worm(ザ・ワーム)”の愛称の通りピッタリ張り付くディフェンスで完全に封じ込める姿が印象的でした。
プレーの魅力③:勝利のためにはなんでもやるという「泥臭さ」
3つ目にご紹介したい魅力は、勝利のためにはなんでもやるという「泥臭さ」。
チームにアイザイア・トーマスやマイケル・ジョーダンといった稀代のスコアラーたちが存在したことは大きいですが、ロッドマンがこれほどまでにリバウンドやディフェンスに特化した選手になったのは、チームが勝つために必要なことを考えた結果だったそう。
素行が悪く”悪童”と呼ばれていたロッドマンですが、実は練習会場に最も早く来てチームメイトや相手のシュートの癖を頭に叩き込むなど非常にマメな一面も持っている選手でした。
優勝するためには自分は得点を捨ててでもリバウンドとディフェンスに尽くそうと努力するその「泥臭さ」こそが、ロッドマンを5度の優勝に導いた最大の要因と言えるかもしれませんね!
まとめ
今回は史上屈指のリバウンダー「デニス・ロッドマン」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
個人的には、赤髪、全身タトゥー、女装癖などキャラクター性に富んだ私生活と勝利に貪欲な姿勢を見せるコート上での振る舞いのギャップが非常にかっこいいなと思いました。
NBA記録である「7年連続でのリバウンド王」を超える選手は今後現れるのでしょうか。
「リバウンドは掴むものではなく、触るもの」という哲学が反映されたロッドマンのリバウンドは見ていて非常に面白いので、ぜひこの機会にロッドマンのハイライト集などの動画を視聴してみてくださいね!