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【NBAファイナル1974】ボストン・セルティックス VS ミルウォーキー・バックス 全7試合の結果や流れを詳しく解説!

皆さんこんにちは!

NBA好きブログライターのおしょうサンドです。

 

国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。

これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。

一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。

その確率は脅威の0.0001%。

例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。

 

そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。

本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。

 

そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。

特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。

その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。

 

今回はその中から「NBAファイナル1974 ボストン・セルティックス VS ミルウォーキー・バックス」の対決をご紹介しましょう!

NBAをよく知らないという方にもわかりやすく説明していきますのでぜひ最後までお読みくださいね!

それではティップオフ!!

 

NBAファイナル1974に出場したチームの背景を知ろう!

1974年NBAファイナルはイースタン・カンファレンスチャンピオンの「ボストン・セルティックス」とウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「ミルウォーキー・バックス」の戦いでした。

まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!

 

ボストン・セルティックス

1973-74シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 56勝26敗(カンファレンス1位)
プレーオフ1回戦 -
カンファレンス・セミファイナル 4勝2敗(VS バッファロー・ブレーブス)
カンファレンス・ファイナル 4勝1敗(VS ニューヨーク・ニックス)

 

「ボストン・セルティックス」はマサチューセッツ州ボストンに拠点を置くチームです。

エースは「ジョン・ハブリチェック」。

レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは準決勝では新人のボブ・マカドゥー要する「バッファロー・ブレーブス」を、決勝戦で昨年NBA王者の「ニューヨーク・ニックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

この年優勝を果たしたボストン・セルティックスがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!

 

ミルウォーキー・バックス

1973-74シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 59勝23敗(カンファレンス位1)
プレーオフ1回戦 -
カンファレンス・セミファイナル 4勝1敗(VS ロサンゼルス・レイカーズ)
カンファレンス・ファイナル 4勝0敗(VS シカゴ・ブルズ)

 

「ミルウォーキー・バックス」はウィスコンシン州ミルウォーキーに拠点を置くチームです。

エースは「カリーム・アブドゥル=ジャバー」。

レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは準決勝でビル・シャーマンHC率いる「ロサンゼルス・レイカーズ」を、決勝戦でボブ・ラブやジェリー・スローンらの「シカゴ・ブルズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

NBAファイナル1974の出場選手・ロスター

次にNBAファイナル1974で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!

 

ボストン・セルティックスの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
PG 7 アート・ウィリアムズ(Art Williams) 185 82 1939年9月29日
C 18 デイブ・コーウェンス(Dave Cowens) 206 104 1948年10月25日
SG 12 ドン・チェイニー(Don Chaney) 196 95 1946年3月22日
SF 19 ドン・ネルソン(Don Nelson) 198 95 1940年5月15日
C 29 ハンク・フィンケル(Hank Finkel) 213 109 1942年4月20日
PG 10 ジョ・ジョ・ホワイト(Jo Jo White) 191 86 1946年11月16日
SF 17 ジョン・ハブリチェック(John Havlicek) 196 92 1940年4月8日
PF 35 ポール・サイラス(Paul Silas) 201 100 1943年7月12日
SG 44 ポール・ウェストファル(Paul Westphal) 193 88 1950年11月30日
SF 20 フィル・ハンキンソン(Phil Hankinson) 203 88 1951年7月26日
C 32 スティーブ・ダウニング(Steve Downing) 203 102 1950年9月9日
PF 11 スティーブ・クベルスキー(Steve Kuberski) 203 98 1947年11月6日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

ミルウォーキー・バックスの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
SF 10 ボブ・ダンドリッジ(Bob Dandridge) 198 88 1947年11月15日
SF 31 チャック・テリー(Chuck Terry) 198 98 1950年9月27日
C 35 コーネル・ワーナー(Cornell Warner) 206 100 1948年8月12日
PF 18 カーティス・ペリー(Curtis Perry) 201 100 1948年9月13日
C 19 ディック・カニングハム(Dick Cunningham) 208 111 1946年7月11日
SG 24 ディック・ギャレット(Dick Garrett) 191 84 1947年1月31日
SG 14 ジョン・マクグロックリン(Jon McGlocklin) 196 93 1943年6月10日
C 33 カリーム・アブドゥル=ジャバー(Kareem Abdul-Jabbar) 218 102 1947年4月16日
PG 42 ルーシャス・アレン(Lucius Allen) 188 79 1947年9月26日
SF 20 ミッキー・デイヴィス(Mickey Davis) 201 88 1950年6月16日
PG 1 オスカー・ロバートソン(Oscar Robertson) 196 93 1938年11月24日
PG 12 ロン・ウィリアムズ(Ron Williams) 191 85 1944年9月24日
SF 21 ラス・リー(Russ Lee) 196 84 1950年1月27日
PF 7 テリー・ドリスコル(Terry Driscoll) 201 98 1947年8月28日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

NBAファイナル1974のシリーズ概要

それではいよいよNBAファイナル1974の試合の結果を見ていきましょう!

1973-74シーズンのNBAチャンピオンは「ボストン・セルティクス」。

チームとしては5年ぶり12回目の優勝となりました。

対戦成績は4勝3敗。

詳細な試合結果は以下のとおりです。

試合 日付 アウェイ 結果 ホーム
1 4月28日 ボストン・セルティクス 98-83 ミルウォーキー・バックス
2 4月30日 ボストン・セルティクス 96-105 ミルウォーキー・バックス
3 5月3日 ミルウォーキー・バックス 83-95 ボストン・セルティクス
4 5月5日 ミルウォーキー・バックス 97-89 ボストン・セルティクス
5 5月7日 ボストン・セルティクス 96-87 ミルウォーキー・バックス
6 5月10日 ミルウォーキー・バックス 102-101 ボストン・セルティクス
5月12日 ボストン・セルティクス 102-87 ミルウォーキー・バックス

 

 

ファイナルMVPは「ジョン・ハブリチェック」。

セルティックスに10年在籍し、7度目の優勝にてようやく自身初のファイナルMVP受賞となりました。

 

NBAファイナル1974の試合の概要

ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。

ビル・ラッセルが抜け堕ちたと思われていた古豪が復活を果たしたシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!

 

第1戦(98-83 ボストン・セルティクス Win)

NBAファイナルの1回戦はミルウォーキー・バックスのホーム「ミルウォーキー・アリーナ」で始まりました。

ビル・ラッセル引退から4年間の間NBAファイナルから遠ざかっていたセルティクスと今季3度目のMVPを受賞したカリーム・アブドゥル=ジャバー要するバックスとの一戦です。

バックスは正ポイントガードのルーシャス・アレンを怪我で欠いておりバックコートの層の薄さが懸念されていましたが、カンファレンスファイナルまではジャバー1人の力で圧倒してきたこともありそこまで問題にはなっていませんでした。

しかし実力差がほとんどないセルティクスとのシリーズはそこが大きな弱点となります。

第1戦はセルティクスがバックスの手薄なバックコートを中心に攻め序盤から大きなリードを奪うと、その後もバックスに反撃の糸口を掴ませないまま点差を保って勝利しました。

バックスはジャバーが35得点14リバウンドと孤軍奮闘しましたが、援護射撃を得られず総合力で押し負ける結果となりました。

 

第2戦(96-105 ミルウォーキー・バックス Win)

セルティクスリードで迎えた第2戦。

第1戦にホームで敗北を喫したバックスは序盤から攻勢を強め、前半を41-55の14点リードで折り返すことに成功します。

しかし後半に入るとセルティクスが反撃を始め、試合終盤には堅守からの連続得点により土壇場で同点に追いつくことに成功。

試合はオーバータイムにもつれ込みますが、セルティクスの反撃が失速し、逆にバックスがホームの声援を得て流れを掴んだことでオーバータイムを6-15の大差で駆け抜け勝利しました。

この日もジャバーは36得点15リバウンドを記録。

セルティクスもホワイトが25得点、ハブリチェックが18得点と健闘しますが、オーバータイムの勝負所で力尽きる形となりました。

 

第3戦(83-95 ボストン・セルティクス Win)

対戦成績1-1のタイで迎えた第3戦。

この日はセルティクスのプレスディフェンスがバックスを苦しめる結果となります。

第1Qからバックスの得点をわずか13点に抑えると、オフェンスではインサイドでデイブ・コーウェンスが躍動。

途中でファウルトラブルに陥るも30得点を決める活躍をし、コーウェンのバックアップセンターとして出てきた伏兵ヘンリー・フィンケルも26得点を記録するなど、バックスの強みであるジャバーのインサイドを圧倒してリードを奪います。

後半にはバックスが粘るものの差は縮まらず、前半の点差からほとんど変わることなく逃げ切ったセルティクスが勝利しました。

この日バックスはチームで27ターンオーバーとセルティクスのディフェンスに答えを見出せず、流れを取りこぼす形となりました。

 

第4戦(97-89 ミルウォーキー・バックス Win)

再びセルティクスリードで迎えた第4戦。

第3戦でセルティクスのデイフェンスに苦しんだバックスでしたが、さらにシューティングガードのジョン・マクグロックリンの負傷というバプニングに襲われます。

この緊急事態でバックコートがさらに薄くなってしまったバックスは、ここまでほとんど出場機会のなかったミッキー・デイビスを出場させました。

するとデイビスはチームの期待に応え15得点を記録。

まさかの伏兵に対応し切れてていないセルティクスをジャバーが攻め立て、第3戦の借りを返す形でセルティクスのインサイドを圧倒。

ダンドリッジやオスカー・ロバートソンも後に続き、終盤ハブリチェックの反撃を受けるもののなんとか逃げ切り勝利しました。

この日ジャバーは34得点14リバウンドを記録。

一方ハブリチェックも33得点と応戦しましたが、前半の点差を詰め切ることができず敗戦となりました。

 

第5戦(96-87 ボストン・セルティクス Win)

またも対戦成績タイで迎えることとなった第5戦。

舞台はバックスのホームアリーナに戻ります。

勝利した方が先に優勝に王手となる両者絶対に勝ちたい1戦です。

試合は予想通りの接戦となり、前半終了時点で45-44とセルティクスがわずか1点のリードで折り返します。

しかし後半に入ると、バックスがセルティクスのディフェンスに捕まり第3Qわずか17点と失速。

その間に順当に点を伸ばしたセルティクスが最後までそのリードを詰めさせず、大事な一戦をものにしました。

 

第6戦(102-101 ミルウォーキー・バックス Win)

セルティクスが王手をかけて迎えた第6戦。

崖っぷちの状態でセルティクスのホームに乗り込んできたバックスは第1Qからセルティクスゴールに果敢に攻め込み27-19と8点のリードを得ます。

しかし徐々にセルティクスが盛り返し始め、第4Qにはセルティクスが流れを掴んで追いつき試合はオーバータイムにもつれ込みました。

1度のオーバータイムでは決着がつかずダブルオーバータイムに突入した試合は残り時間わずかで100-101とセルティクスがリードします。

バックスは最後の攻撃をジャバーに託しセルティクスも当然ジャバーに対してディフェンスを強めますが、ここでジャバーの代名詞とも言える伝家の宝刀”スカイフック”がセルティクスゴールに突き刺さり、バックスが大逆転で勝利しました。

これにより対戦成績は3-3となり、勝負は第7戦まで持ち越しとなりました。

 

第7戦(102-87 ボストン・セルティクス Win)

運命の第7戦。

舞台はバックスのホーム「ミルウォーキー・アリーナ」。

ここまで3勝3敗で2度のオーバータイムを演じた両者の戦いは最終戦も接戦の様相を呈するかと思われましたが、最後はあまりにもあっけないものでした。

シリーズを通してセルティクスのアドバンテージとなっているディフェンスがこの試合も光り、序盤から連続のスティールで勢いを掴むと53-40とバックスを大差で圧倒。

後半も序盤バックスに詰められますが第4Qには持ち直し、最後は102-87という15点差でセルティクスが勝利しました。

これによりセルティクスがシリーズを制し、5年ぶりとなるチーム12回目の優勝を成し遂げました。

 

まとめ

今回は「NBAファイナル1974 ボストン・セルティックス VS ミルウォーキー・バックス」の対決をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

11度の優勝というあまりにも大きな功績を残したビル・ラッセルがいなくなったことにより、”堕ちた”と言われていたセルティクスですが、5年の年月をかけて再度チームを構成し直し再びNBAの覇権を握りました。

ここからセルティクスは数年間に渡り再び東の強豪として君臨することとなります。

やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!

他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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