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【NBAファイナル1988】ロサンゼルス・レイカーズ VS デトロイト・ピストンズ 全7試合の結果や流れを詳しく解説!

皆さんこんにちは!

NBA好きブログライターのおしょうサンドです。

 

国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。

これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。

一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。

その確率は脅威の0.0001%。

例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。

 

そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。

本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。

 

そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。

特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。

その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。

 

今回はその中から「NBAファイナル1988 ロサンゼルス・レイカーズ VS デトロイト・ピストンズ」の対決をご紹介しましょう!

皆さんがNBAの歴史を知り、もっともっとNBAを好きになるきっかけになることができれば光栄です。

それではティップオフ!!

 

NBAファイナル1988に出場したチームの背景を知ろう!

1988年NBAファイナルはウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「ロサンゼルス・レイカーズ」とイースタン・カンファレンスチャンピオンの「デトロイト・ピストンズ」の戦いでした。

まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!

 

ロサンゼルス・レイカーズ

1987-88シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 62勝20敗(カンファレンス1位)
プレーオフ1回戦 3勝0敗(VS サンアントニオ・スパーズ)
カンファレンス・セミファイナル 4勝3敗(VS ユタ・ジャズ)
カンファレンス・ファイナル 4勝3敗(VS ダラス・マーベリックス)

 

「ロサンゼルス・レイカーズ」はカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置くチームです。

エースは"ショータイム・レイカーズ"を率いる「マジック・ジョンソン」。

レギュラーシーズンを62勝20敗のカンファレンス1位で終えると、プレーオフでは1回戦にジョージ・ガービンが抜けた後の「サンアントニオ・スパーズ」を、準決勝ではストックトンとマローンの「ユタ・ジャズ」を、決勝戦で若きデレック・ハーパーやサム・パーキンスの「ダラス・マーベリックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

この年優勝を果たしたロサンゼルス・レイカーズがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!

 

デトロイト・ピストンズ

1987-88シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 54勝28敗(カンファレンス2位)
プレーオフ1回戦 3勝2敗(VS ワシントン・ブレッツ)
カンファレンス・セミファイナル 4勝1敗(VS シカゴ・ブルズ)
カンファレンス・ファイナル 4勝2敗(VS ボストン・セルティックス)

 

「デトロイト・ピストンズ」はミシガン州デトロイトに拠点を置くチームです。

エースは”バッドボーイズ・ピストンズ”を率いる「アイザイア・トーマス」。

レギュラーシーズンを54勝28敗のカンファレンス2位で終えると、プレーオフでは1回戦に「ワシントン・ブレッツ」を、準決勝では若きマイケル・ジョーダン要する「シカゴ・ブルズ」を、決勝戦でバード、パリッシュ・マクヘイルの「ボストン・セルティックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

NBAファイナル1988の出場選手・ロスター

次にNBAファイナル1988で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!

 

ロサンゼルス・レイカーズの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
PF 45 A.C.グリーン(A.C. Green) 206 100 1963年10月4日
SF 55 ビリー・トンプソン(Billy Thompson) 201 88 1963年12月1日
SG 4 バイロン・スコット(Byron Scott) 191 88 1961年3月28日
SF 42 ジェームズ・ウォージー(James Worthy) 206 102 1961年2月27日
SF 3 ジェフ・ランプ(Jeff Lamp) 196 88 1959年3月9日
C 33 カリーム・アブドゥル=ジャバー(Kareem Abdul-Jabbar) 218 102 1947年4月16日
PF 31 カート・ランビス(Kurt Rambis) 203 97 1958年2月25日
PG 32 マジック・ジョンソン(Magic Johnson) 206 98 1959年8月14日
SG 21 マイケル・クーパー(Michael Cooper) 201 77 1956年4月15日
C 52 マイク・スムレク(Mike Smrek) 213 113 1962年8月31日
SG 20 ミルト・ワグナー(Milt Wagner) 196 84 1963年2月20日
C 43 マイカル・トンプソン(Mychal Thompson) 208 103 1955年1月30日
PF 34 レイ・トルバート(Ray Tolbert) 206 102 1958年9月10日
SF 19 トニー・キャンベル(Tony Campbell) 201 98 1962年5月7日
PG 1 ウェズ・マシューズ(Wes Matthews) 185 77 1959年8月24日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

デトロイト・ピストンズの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
SF 45 エイドリアン・ダントリー(Adrian Dantley) 196 94 1955年2月28日
C 40 ビル・レインビア(Bill Laimbeer) 211 111 1957年5月19日
C 42 チャック・ネヴィット(Chuck Nevitt) 226 98 1959年6月13日
C 50 ダリル・ドーキンス(Darryl Dawkins) 211 114 1957年1月11日
SF 10 デニス・ロッドマン(Dennis Rodman) 201 95 1961年5月13日
PG 11 アイザイア・トーマス(Isiah Thomas) 185 82 1961年4月30日
C 53 ジェームズ・エドワーズ(James Edwards) 213 102 1955年11月22日
SG 4 ジョー・デュマーズ(Joe Dumars) 191 86 1963年5月24日
C 22 ジョン・サリー(John Salley) 211 104 1964年5月16日
SG 35 ラルフ・ルイス(Ralph Lewis) 198 91 1963年3月28日
PF 44 リック・マホーン(Rick Mahorn) 208 108 1958年9月21日
C 54 ロン・ムーア(Ron Moore) 213 118 1962年1月16日
SG 15 ヴィニー・ジョンソン(Vinnie Johnson) 188 91 1956年9月1日
PG 23 ウォーカー・ラッセル(Walker Russell) 196 88 1960年10月26日
C 25 ウィリアム・ベッドフォード(William Bedford) 213 102 1963年12月14日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

NBAファイナル1988のシリーズ概要

それではいよいよNBAファイナル1988の試合の結果を見ていきましょう!

1987-88シーズンのNBAチャンピオンは「ロサンゼルス・レイカーズ」。

チームとしては2年連続11回目の優勝となりました。

対戦成績は4勝3敗。

詳細な試合結果は以下のとおりです。

試合 日付 アウェイ 結果 ホーム
1 6月7日 デトロイト・ピストンズ 105-93 ロサンゼルス・レイカーズ
2 6月9日 デトロイト・ピストンズ 96-108 ロサンゼルス・レイカーズ
3 6月12日 ロサンゼルス・レイカーズ 99-86 デトロイト・ピストンズ
4 6月14日 ロサンゼルス・レイカーズ 86-111 デトロイト・ピストンズ
5 6月16日 ロサンゼルス・レイカーズ 94-104 デトロイト・ピストンズ
6 6月19日 デトロイト・ピストンズ 102-103 ロサンゼルス・レイカーズ
6月21日 デトロイト・ピストンズ 105-108 ロサンゼルス・レイカーズ

 

ファイナルMVPは「ジェームズ・ウォージー」。

NBAファイナル第7戦で36得点16リバウンド10アシストという記録を残し、キャリア初のトリプルダブルで自身初のファイナルMVPを受賞しました。

NBAファイナル1988の試合の概要

ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。

”ショータイム・レイカーズ”が初めて連覇を果たしたシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!

 

第1戦(105-93 デトロイト・ピストンズ Win)

NBAファイナルの1回戦はロサンゼルス・レイカーズのホーム「ザ・フォーラム」で始まりました。

レイカーズがディフェンディングチャンピオンとしてピストンズを迎え打つ形となりましたが、第1戦はピストンズが長い間イースタンカンファレンスを支配してきたボストン・セルティックスを打ち倒した攻撃力を見せつける展開となりました。

試合は序盤からピストンズがリードする展開で、第2Qには前半終了まで残り6秒からビル・レインビアとアイザイア・トーマスが2本立て続けに3ポイントを決めるなどレイカーズを圧倒。

結局前半終了時点で57-40とピストンズが大量リードを奪います。

後半はホームのレイカーズの反撃が期待されましたが、ピストンズも攻撃の手を緩めることなくリードを守り切ったまま勝利。

ピストンズが敵地で貴重な1勝を挙げました。

この試合ピストンズはエイドリアン・ダントリーがほとんどシュートを外さず34得点と爆発しチームを勝利に導きました。

レイカーズはマジック・ジョンソンが28得点10リバウンド8アシスト、バイロン・スコットが25得点と健闘しますが、前半の差を詰めることができませんでした。

 

第2戦(96-108 ロサンゼルス・レイカーズ Win)

ピストンズリードで迎えた第2戦。

第1戦を落としたレイカーズに追い討ちをかけるようにエースのマジック・ジョンソンが体調不良に陥ります。

しかし2連覇を果たすためにはホームで2連敗は許されないとマジックは強行出場することになります。

そんな中始まった第2戦は序盤からレイカーズリードの展開に。

10点のリードを奪って前半を折り返すと、後半にピストンズの反撃を受けますが落ち着いて逃げ切り勝利を手にしました。

この試合レイカーズはジェームズ・ウォージーが26得点10リバウンド6アシスト、バイロン・スコットが24得点、体調不良のマジックも23得点7リバウンド11アシストと執念をみせ、レイカーズを牽引しました。

一方ピストンズも出場選手6人が2桁得点を取りましたが、20得点以上を記録した選手が1人もおらず爆発力に欠ける試合となりました。

 

第3戦(99-86 ロサンゼルス・レイカーズ Win)

対戦成績1-1のタイで迎えた第3戦。

決戦の舞台はピストンズのホームアリーナ「ポンティアック・シルバードーム」に移ります。

ピストンズのファイナル出場は実に32年ぶりとあって、40,000人の熱狂的なファンがアリーナに詰め掛けました。

しかしこの日のピストンズは残念ながらファンの期待を裏切ることとなってしまいます。

序盤こそ両者一歩も引かない接戦となり、47-46のレイカーズ1点リードで勝負がわからないまま前半を折り返します。

しかし第3Q、ディフェンスに定評のあるピストンズをレイカーズが”魔法”で打ち砕き、一気にリードを13点に広げてしまいました。

結局その時のリードを縮めることができないまま試合はレイカーズが勝利。

この試合レイカーズはマジックの18得点14リバウンドをはじめ、スタメン全員が2桁得点を記録する活躍で勝利に貢献。

一方ピストンズはアイザイア・トーマスが28得点と孤軍奮闘しますが、総合力で勝るレイカーズに押し切られる形となりました。

 

第4戦(86-111 デトロイト・ピストンズ Win)

レイカーズリードで迎えた第4戦。

初戦のリードから一転、2連敗で負ければ後がない状況に追い込まれたピストンズでしたが、この日は終始ピストンズペースで試合が進みました。

前半からフルスロットルで試合を進めたピストンズは、前半の間に相手エースマジックジョンソンをファウルトラブルに陥らせることに成功。

その隙に攻勢を強め、エース不在で浮き足立っているレイカーズを圧倒しました。

結局後半だけで18点もリードを広げたピストンズが危なげなく勝利。

エースを欠いたレイカーズに成す術はなく、試合にマジックが戻る頃にはどうしようもない点差がついていました。

ピストンズはダントリーが27得点、トーマスが10得点9リバウンド12アシストでチームを牽引しました。

 

第5戦(94-104 デトロイト・ピストンズ Win)

またも対戦成績タイの状況となって迎えた第5戦。

ピストンズホームでの3連戦の最終戦です。

この日序盤のスタートダッシュに成功したのはレイカーズでしたが、ピストンズも徐々にエンジンをかけ始めます。

しかし、レイカーズの主力であるA.C.グリーン、ジェームズ・ウォージー、さらに変わって入ったマイケル・クーパーが次々にファウルトラブルに陥り状況が一変。

主にディフェンス力の低下でピストンズの攻撃を抑え込むことができなくなったレイカーズをピストンズが容赦なく叩き、前半終了時点で50-59とピストンズ9点リードで折り返します。

後半はレイカーズもデイフェンスを修正し点差は広がらなくなりましたが、点差を縮めるには至らず前半の点差を保ったままピストンズが勝利する結果となりました。

優勝に王手となったピストンズにアリーナのファンは大歓声。

41,000人が白いタオルを振り、選手をカリフォルニアへと送り出しました。

 

第6戦(102-103 ロサンゼルス・レイカーズ Win)

ピストンズリードで迎えた第6戦。

舞台はカリフォルニアに移ります。

この時点では前回王者を新鋭チームが追い詰めた構図となっていましたが、この試合がピストンズにとって悲劇の幕開けとなってしまいました。

試合は序盤からピストンズペースで進み、前半を56-48のピストンズ8点リードで折り返します。

後半が始まると、アイザイア・トーマスが覚醒し無双を開始。

点差はみるみるうちに開いていき、もはやピストンズの優勝が決まったかと思われました。

しかしここでピストンズを悲劇が襲います。

アイザイア・トーマスがマイケル・クーパーの足の上に着地し、捻挫。

悶絶するエースを見てピストンズに絶望が走りますが、なんとアイザイアはその後も試合に出続け、なんと第3Qだけで25得点という当時の1QでのNBA最多得点記録を叩き出します。

しかし第4Qに入ると流石のアイザイアも本調子とはほど遠く、レイカーズの猛攻をピストンズが受け続ける展開に。

それでも第4Q残り1分までは99-102とピストンズがリードしていました。

ここから試合後にマジックが語った”とても長い1分間”が始まります。

残り52秒でバイロン・スコットが放ったシュートが決まり、点差はすぐさま1点に。

さらにレイカーズは強固なディフェンスでアイザイア以外の選手を抑え込み、負傷しているアイザイアに無茶なシュートを打たせました。

ジャンプもままならないアイザイアに当然決め切ることはできず、レイカーズが逆転をチャンスを得ます。

レイカーズの最後の攻撃を担ったのはカリーム・アブドゥル=ジャバー。

伝家の宝刀”スカイ・フック”は外れこそしましたが、ファールを獲得し、2本とも決め切ってレイカーズにリードをもたらしました。

ピストンズもデュマーズがラストショットを放ちましたが、無情にもリングに弾かれ試合は終了。

アイザイアはこの試合43得点8アシストを記録する活躍でしたが、勝利の女神はレイカーズに微笑みました。

 

第7戦(105-108 ロサンゼルス・レイカーズ Win)

運命の第7戦。

エースが負傷して絶対絶命のピストンズでしたが、アイザイアがなんとか強行出場できるまで回復が追いつきます。

しかしシュート練習の時点では足を引きずっており、本調子とは程遠いことは明らかでした。

そんな中始まった最終戦はアイザイアの10得点もあり、ピストンズが52-47の5点リードで前半を折り返します。

しかし、とうとうアイザイアの足も限界を迎えてしまい、第3Qはレイカーズのジェームズ・ウォージーがオンファイア状態となったことでピストンズを圧倒。

あっという間に逆転し、第3Q終了時点では逆にレイカーズが10点のリードを奪っていました。

ところがここでピストンズがラインナップを大幅に変える奥の手を発動。

アイザイアを下げ、ヴィニー・ジョンソン、デュマース、ジョン・サリー、レインビア、ロッドマンというメンツに変えて第4Qに挑むと、これが功を奏します。

奇策で流れを掴んだピストンズがレイカーズを猛追し、試合時間残り1分17秒にはついに2点差に。

しかし、踏んできた修羅場の数ではレイカーズも負けていませんでした。

土壇場でマジックがフリースローを奪い点差を4点に広げると、その後も決死のディフェンスでピストンズにいい形でシュートは打たせず。

一時ピストンズが1点差まで詰め寄りはしたもののあと一本が遠く、最後は昨年優勝メンバーのA.C.グリーンがレイアップを鎮め、最後まで足掻いた挑戦者を王者がねじ伏せる形で連覇を達成しました。

この試合でジェームズ・ウォージーはキャリア初のトリプルダブルを記録し、最も重要な試合で活躍する姿から"ビッグ・ゲーム・ジェームス"と呼ばれるようになります。

 

まとめ

今回は「NBAファイナル1988 ロサンゼルス・レイカーズ VS デトロイト・ピストンズ」の対決をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

”ショータイム・レイカーズ”がついに連覇を達成した瞬間でしたが、当時はまだ連覇を達成したのは史上2チームしかおらず、非常に達成の困難なものとされていました。

また、この時レイカーズのヘッドコーチだったパット・ライリーは3連覇を意味する造語”スリーピート”を商標登録までしたものの、レイカーズは翌年優勝することができなかったというのも有名な話です。

やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!

他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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