皆さんこんにちは!
NBA好きブログライターのおしょうサンドです。
国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。
これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。
一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。
その確率は脅威の0.0001%。
例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。
そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。
本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。
そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。
特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。
その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。
今回はその中から「NBAファイナル1989 デトロイト・ピストンズ VS ロサンゼルス・レイカーズ」の対決をご紹介しましょう!
皆さんがNBAの歴史を知り、もっともっとNBAを好きになるきっかけになることができれば光栄です。
それではティップオフ!!
目次
NBAファイナル1989に出場したチームの背景を知ろう!
1989年NBAファイナルは ・カンファレンスチャンピオンの「デトロイト・ピストンズ」と ・カンファレンスチャンピオンの「ロサンゼルス・レイカーズ」の戦いでした。
まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!
デトロイト・ピストンズ
1988-89シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 63勝19敗(カンファレンス1位) |
プレーオフ1回戦 | 3勝0敗(VS ボストン・セルティックス) |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝0敗(VS ミルウォーキー・バックス) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝2敗(VS シカゴ・ブルズ) |
「デトロイト・ピストンズ」は に拠点を置くチームです。
エースは”バットボーイズ”筆頭の「アイザイア・トーマス」。
この年のピストンズは昨年トーマスの怪我により惜しくもNBAファイナルを3勝4敗でレイカーズ敗れ優勝を逃したことから、今年こそはという強い信念を持って臨んだシーズンとなりました。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にラリー・バードを欠いた「ボストン・セルティックス」を、準決勝ではドン・ネルソンHC退団後の「ミルウォーキー・バックス」を、決勝戦でマイケル・ジョーダンを要する「シカゴ・ブルズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。
この年優勝を果たしたデトロイト・ピストンズがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!
ロサンゼルス・レイカーズ
1988-89シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 57勝25敗(カンファレンス1位) |
プレーオフ1回戦 | 3勝0敗(VS ポートランド・トレイルブレイザーズ) |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝0敗(VS シアトル・スーパーソニックス) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝0敗(VS フェニックス・サンズ) |
「ロサンゼルス・レイカーズ」はカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置くチームです。
エースは歴代最高ポイントガードの呼び声も高い「アーヴィン・”マジック”・ジョンソン」。
この年はマジック・ジョンソンとカリーム・アブドゥル・ジャバーを中心とした”ショータイム・レイカーズ”全盛の時代であり、昨シーズンにNBA2連覇を達成し、今シーズンは3連覇に期待のかかるシーズンとなりました。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にクライド・ドレクスラー率いる「ポートランド・トレイルブレイザーズ」を、準決勝では ショーン・ケンプらの「シアトル・スーパーソニックス」を、決勝戦でケビン・ジョンソンやトム・チェンバーズを要する「フェニックス・サンズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。
NBAファイナル1989の出場選手
次にNBAファイナル1989で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!
デトロイト・ピストンズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
SF | 45 | エイドリアン・ダントリー(Adrian Dantley) | 196 | 94 | 1955年2月28日 |
C | 40 | ビル・レインビア(Bill Laimbeer) | 211 | 111 | 1957年5月19日 |
C | 50 | ダリル・ドーキンス(Darryl Dawkins) | 211 | 114 | 1957年1月11日 |
SF | 10 | デニス・ロッドマン(Dennis Rodman) | 201 | 95 | 1961年5月13日 |
SF | 34 | フェニス・ダンボ(Fennis Dembo) | 196 | 97 | 1966年1月24日 |
PG | 11 | アイザイア・トーマス(Isiah Thomas) | 185 | 82 | 1961年4月30日 |
C | 53 | ジェームズ・エドワーズ(James Edwards) | 213 | 102 | 1955年11月22日 |
PF | 41 | ジム・ロウィンスキー(Jim Rowinski) | 203 | 113 | 1961年1月4日 |
SG | 4 | ジョー・デュマーズ(Joe Dumars) | 191 | 86 | 1963年5月24日 |
SG | 25 | ジョン・ロング(John Long) | 196 | 88 | 1956年8月28日 |
PF | 22 | ジョン・サリー(John Salley) | 211 | 104 | 1964年5月16日 |
SF | 23 | マーク・アグワイア(Mark Aguirre) | 198 | 105 | 1959年12月10日 |
PG | 24 | マイケル・ウィリアムズ(Micheal Williams) | 188 | 80 | 1966年7月23日 |
SF | 12 | ペイス・マニオン(Pace Mannion) | 201 | 86 | 1960年9月22日 |
PF | 44 | リック・マホーン(Rick Mahorn) | 208 | 109 | 1958年9月21日 |
SG | 35 | スティーヴ・ハリス(Steve Harris) | 196 | 88 | 1963年10月15日 |
SG | 15 | ヴィニー・ジョンソン(Vinnie Johnson) | 188 | 91 | 1956年9月1日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
ロサンゼルス・レイカーズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
PF | 45 | A.C.グリーン(A.C. Green) | 206 | 100 | 1956年9月1日 |
SG | 00, 4 | バイロン・スコット(Byron Scott) | 191 | 88 | 1961年3月28日 |
PG | 14 | デイビット・リバース(David Rivers) | 182 | 77 | 1965年1月20日 |
SF | 42 | ジェームズ・ウォージー(James Worthy) | 206 | 102 | 1961年2月27日 |
SF | 3 | ジェフ・ランプ(Jeff Lamp) | 198 | 88 | 1959年3月9日 |
C | 33 | カリーム・アブドゥル=ジャバー(Kareem Abdul-Jabbar) | 218 | 102 | 1947年4月16日 |
PG | 32 | マジック・ジョンソン(Magic Johnson) | 206 | 98 | 1959年8月14日 |
C | 31 | マーク・マクナマラ(Mark McNamara) | 211 | 107 | 1959年6月8日 |
SG | 21 | マイケル・クーパー(Michael Cooper) | 201 | 77 | 1956年4月15日 |
C | 43 | マイカル・トンプソン(Mychal Thompson) | 208 | 103 | 1955年1月30日 |
SF | 0 | オーランド・ウードリッジ(Orlando Woolridge) | 206 | 98 | 1959年12月16日 |
SF | 19 | トニー・キャンベル(Tony Campbell) | 201 | 98 | 1962年5月7日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
NBAファイナル1989の試合結果は・・・?
それではいよいよNBAファイナル1989の試合の結果を見ていきましょう!
1988-89シーズンのNBAチャンピオンは「デトロイト・ピストンズ」。
チームとしては初の優勝となりました。(NBAでの記録のみ)
対戦成績は4勝0敗。
詳細な試合結果は以下のとおりです。
試合 | 日付 | アウェイ | 結果 | ホーム |
---|---|---|---|---|
1 | 6月6日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 97-109 | デトロイト・ピストンズ |
2 | 6月8日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 105-108 | デトロイト・ピストンズ |
3 | 6月11日 | デトロイト・ピストンズ | 114-110 | ロサンゼルス・レイカーズ |
4 | 6月13日 | デトロイト・ピストンズ | 105-97 | ロサンゼルス・レイカーズ |
ファイナルMVPは「ジョー・デュマーズ」。
デュマーズはシリーズ平均27.3得点をあげ、自身初のファイナルMVPとなりました。
NBAファイナル1989の試合の流れ
ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。
NBA界きっての”悪童”たちが昨年のリベンジを果たし、ついにNBAの頂点に立ったシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!
第1戦(97-109 デトロイト・ピストンズ Win)
NBAファイナルの1回戦はデトロイト・ピストンズのホーム「ザ・パレス・オブ・アーバン・ヒルズ」で始まりました。
NBA界1の嫌われ者と3連覇のかかったレイカーズとの一戦は非常に注目を浴び、メディアやファンの見立てではカンファレンスファイナルまでの試合を11戦全勝で駆け上がってきたレイカーズが有利とされていました。
しかしこの期待は第1戦から悲劇と共に打ち砕かれることになります。
レイカーズは試合前にエリートディフェンダーのバイロン・スコットが膝の怪我で欠場することを発表。
スコットの抜けた穴は大きく、ピストンズ最大の武器であるアイザイア・トーマス、ジョー・デュマーズ、ヴィニー・ジョンソンを止めることができなかったレイカーズは終始劣勢の展開を強いられます。
サイズで大きく勝るマジック・ジョンソンもアイザイア・トーマスのNBA屈指のスピードには全くついていくことができず、アイザイアが24得点、デュマーズが22得点、ヴィニーが19得点でレイカーズディフェンスを粉砕。
2桁以上の点差をつけてピストンズが勝利をしました。
第2戦(105-108 デトロイト・ピストンズ Win)
ピストンズリードで迎えた第2戦。
ホームでの2連敗は絶対に避けたいレイカーズは序盤から積極的に攻撃を仕掛け、56-62の6点リードで前半を折り返しました。
しかし後半に入ると徐々にピストンズが反撃を開始し、第3Q終盤には73-75の2点差に迫ります。
なんとかリードを保ったまま第4Qに向たいレイカーズでしたが、ここで第2の悲劇が襲い掛かります。
マジック・ジョンソンの捻挫。
これによりレイカーズはこの試合の終盤をマジック・ジョンソンとバイロン・スコットという大きな戦力を欠いた状態で戦わなければなりませんでした。
レイカーズはそれでも王者の意地を見せ一時点差を広げますが、第4Qにはピストンズが容赦なく反撃し一気に逆転しました。
しかしレイカーズは再度力を振り絞り106-104まで点差を縮めると、決死のディフェンスでピストンズのディフェンスを24秒バイオレーションに追い込むことに成功。
同点のチャンスでジェームズ・ウォージーがファールを奪い、決めれば同点というところまで漕ぎ着けました。
しかしウォージーは最後のフリースローを決め切ることができず、結局108-105でレイカーズは力尽きました。
第3戦(114-110 デトロイト・ピストンズ Win)
ピストンズ2連勝で迎えた第3戦。
舞台はレイカーズのホーム「グレート・ウエスタン・フォーラム」へと移ります。
負ければ後がないレイカーズでしたが、さらにここにエースであるマジックの不在というダメージがのしかかりました。
マジックは強行して最初の5分のみ試合に出場しましたが、動くことができなくなりベンチに下がります。
しかしホームの声援を受けるレイカーズはマジック以外の選手が奮闘し、ウォージーが26得点、カリーム・アブドゥル・ジャバーが24得点13リバウンド、マイケル・クーパーが15得点13得点を記録しました。
彼らの活躍もあり、第3Qを86-88の2点リードで終えることに成功します。
第4Q初めについにピストンズに逆転を許し、一時点差を広げられるも終盤にピストンズがミスを連発し113-110の3点差まで追い上げることに成功したレイカーズ。
ここでさらにピストンズがテーンオーバーを犯しついに逆転のチャンスを得ます。
しかし、最後のボールをタウされたデビット・リバースが同点に向けた3ポイントを放ちますが、これをデュマーズがミスを帳消しにするブロックで防ぎ、さらにコートの外にでかかったボールをダイブで確保してレイカーズの逆転の可能性を完全に潰しました。
試合はそのままファールゲームに突入し、リードを守り切ったピストンズが3連勝。
昨年の王者を”悪童”が残り1勝まで追い詰めました。
第4戦(105-97 デトロイト・ピストンズ Win)
運命の第4戦。
この日はレイカーズの王朝を支えたスーパースター「カリーム・アブドゥル・ジャバー」の現役最後の試合になる可能性があったため、グレート・ウエスタン・フォーラムには超満員のファンが押しかけました。
しかしレイカーズは決してあきらめておらず、序盤から昨年のファイナルMVPであるジェームス・ウォージーを中心にピストンズを攻め立て、マジック不在の中前半を49-55の6点リードで折り返しました。
しかし後半に入るとピストンズが攻勢を強めレイカーズの背中を掴みかけますが、ウォージーの奮闘もありレイカーズがかろうじてリード保ったまま勝負は第4Qに突入します。
しかし無情にも、第4Qに流れをつかんだのはピストンズでした。
レイカーズのファンは必死に声援を送りますが、点差は開き続け最後にジャバーの現役ラストショットの際に盛り上がりはしたものの試合はそのままピストンズが勝利しました。
NBA界の悪童が王者をまさかのスイープで下し、初のNBA制覇を成し遂げました。
まとめ
今回は「NBAファイナル1989 デトロイト・ピストンズ VS ロサンゼルス・レイカーズ」の対決をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
”バットボーイ・ピストンズ”は激しいディフェンスとラフプレイで確かにNBA全体から嫌われていました。
しかし、デトロイトに初優勝をもたらしたことでダークヒーローとして絶対的な地位を築き、NBA史において永遠に語り継がれるチームの1つとなりました。
やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!
他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!
それではまた次の記事でお会いしましょう!