NBA史上屈指の実力を持つポイントガード「スティーブ・ナッシュ」。
2000年代にフェニックス・サンズの“黄金期”を支えた中心選手であり、その華やかなパスで日本でも高い人気を誇る選手です。
NBAを視聴している方であれば誰しも一度は名前を聞いたことのある選手だと思いますが、実際なぜそれほどまでに偉大な選手となったのかをちゃんと知っている方は少ないのではないでしょうか?
そこでこの記事では、功績やスタッツなどを通じてスティーブ・ナッシュの“凄さ”をお伝えしていきたいと思います。
スティーブ・ナッシュがなぜ偉大なポイントガードなのか、その理由を知りたい方はぜひ最後までご覧くださいね!
目次
5度のアシスト王に輝いた”ラン&ガンオフェンスの申し子”
アレン・アイバーソンやコービー・ブライアント、レイ・アレンなどの多くの名選手を輩出した1996年NBAドラフトにて、全体15位で指名を受けてNBA入りを果たしたレジェンド「スティーブ・ナッシュ」。
2度のシーズンMVP、8度のオールスター選出、5回のアシスト王という圧倒的なキャリアを残した殿堂入りポイントガードです。
正確無比なシュート力と類稀なパスセンスを兼ね備えた司令塔として知られ、特にキャリア中盤に移籍したフェニックス・サンズ時代には、後でご紹介する「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」という戦術と共にNBA史にその名を刻む活躍を残しました。
191cm、81㎏とNBA選手としては小柄ながら、”ラン&ガンオフェンスの申し子”と称されるほどに速攻に秀でた能力を持ち、広大な視野のもとに繰り出される芸術的なパスには魅了されたファンも多いはず。
彼が着用した背番号「13」はフェニックス・サンズの永久欠番であり、その功績は歴代屈指の実力と知名度を誇るポイントガードの1人として現在でも語り継がれています。
【スティーブ・ナッシュの主な功績】
シーズンMVP:2回(2005, 2006)
オールスター:8回(2002, 2003, 2005〜2008, 2010, 2012)
オールNBAチーム
・ファーストチーム:3回(2005〜2007)
・セカンドチーム:2回(2008, 2010)
・サードチーム:2回(2002, 2003)
アシスト王:5回(2005〜2007, 2010, 2011)
ここからは、そんなスティーブ・ナッシュの特に知っておいて欲しいポイントをいくつかご紹介していこうと思います。
もはや簡単!?「50-40-90クラブ」の史上最多記録保持者
広大な視野と類稀なパスセンスが注目されがちなスティーブ・ナッシュですが、最も凄かったのはシュート効率かもしれません。
NBAには「50-40-90クラブ」というものがあり、これはフィールドゴール成功率50%以上、スリーポイント成功率40%以上、フリースロー成功率90%以上の全てを1シーズンで同時に達成した選手にのみ与えられるエリートシューターの証。
なんとナッシュはこの「50-40-90クラブ」のNBA史上最多記録保持者なのです。
その数なんと4回であり、ナッシュ以外で複数回記録したことがある選手はラリー・バード(2回)とケビン・デュラント(2回)のみ。
普通の選手はキャリアで1度も経験することのできない偉業をキャリアで4度も達成したナッシュは、NBA史上最も効率よく得点を決める能力を持った選手の1人と言えるでしょう。
伝説の「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」を可能にした”ラストピース”
先ほどナッシュがNBA史上最も効率よく得点を決める能力を持った選手の1人であるとご紹介しましたが、彼がそれほどまでに効率よく得点することができた大きな要因の1つがここでご紹介する「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」でした。
「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」とは、2000年代中盤に指揮官「マイク・ダントー二」のもとでフェニックス・サンズが体現した”超速攻”とも言える戦術であり、その名の通り攻撃を7秒以内に完結させるというもの。
ディフェンス重視のスローペースなバスケが主流であった当時のNBAにおいては革命とも言える戦術であり、高い判断能力とパスセンスを持ったナッシュはこの戦術の中核を担う”ラストピース”だったというわけです!
実際ナッシュが加入した2004-05シーズンにフェニックス・サンズは前年の29勝から大きく勝率を伸ばし、当時チーム史上最多となる62勝を記録。
ナッシュのパスからアマレ・スタウダマイヤーやグラント・ヒルといった選手たちが瞬く間にゴールを決めていく姿は、圧倒的な実績と共にバスケットボールのあり方そのものを変えてしまったのです。
ここからサンズは数年間に渡りリーグ屈指の強豪であり続け、ナッシュは2度のシーズンMVPを受賞。
しかし残念ながら、優勝まであと一歩が届かないまま中心選手の高齢化が進み、チーム力は徐々に衰退していってしまったのでした。
ただ、速攻を中心とした華やかなスタイルのバスケでファンの心を鷲掴みにしたサンズは、「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」という名前と共にNBA史に残る伝説のチームの1つとなったのです。
スタッツからわかるスティーブ・ナッシュの“凄さ”2選
さて、ここまで読んでいただいた方にはスティーブ・ナッシュの偉大さは十分に伝わっているはず。
そこで最後は、ナッシュが残したスタッツをもとに、ナッシュのプレイヤーとしての“凄さ”に触れていこうと思います。
下にレギュラーシーズンのスタッツを載せていますので、まずそちらを見てから先に進んでくださいね!
【レギュラーシーズンのスタッツ】
| シーズン | チーム | 出場試合 | 先発出場 | 出場時間 | フィールドゴール% | 3ポイント% | フリースロー% | リバウンド | アシスト | スティール | ブロック | ターンオーバー | 得点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1996–97 | PHX | 65 | 2 | 10.5 | 42.3 | 41.8 | 82.4 | 1.0 | 2.1 | 0.3 | 0 | 0.97 | 3.3 |
| 1997–98 | 76 | 9 | 21.9 | 45.9 | 41.5 | 86.0 | 2.1 | 3.4 | 0.8 | 0.1 | 1.29 | 9.1 | |
| 1998–99 | DAL | 40 | 40 | 31.7 | 36.3 | 37.4 | 82.6 | 2.9 | 5.5 | 0.9 | 0.1 | 2.08 | 7.9 |
| 1999–00 | 56 | 27 | 27.4 | 47.7 | 40.3 | 88.2 | 2.2 | 4.9 | 0.7 | 0.1 | 1.82 | 8.6 | |
| 2000–01 | 70 | 70 | 34.1 | 48.7 | 40.6 | 89.5 | 3.2 | 7.3 | 1.0 | 0.1 | 2.93 | 15.6 | |
| 2001–02 | 82 | 82 | 34.6 | 48.3 | 45.5 | 88.7 | 3.1 | 7.7 | 0.6 | 0.1 | 2.79 | 17.9 | |
| 2002–03 | 82 | 82 | 33.1 | 46.5 | 41.3 | 90.9 | 2.9 | 7.3 | 1.0 | 0.1 | 2.34 | 17.7 | |
| 2003–04 | 78 | 78 | 33.5 | 47.0 | 40.5 | 91.6 | 3.0 | 8.8 | 0.9 | 0.1 | 2.68 | 14.5 | |
| 2004–05 | PHX | 75 | 75 | 34.3 | 50.2 | 43.1 | 88.7 | 3.3 | 11.5 | 1.0 | 0.1 | 3.27 | 15.5 |
| 2005–06 | 79 | 79 | 35.4 | 51.2 | 43.9 | 92.1 | 4.2 | 10.5 | 0.8 | 0.2 | 3.49 | 18.8 | |
| 2006–07 | 76 | 76 | 35.3 | 53.2 | 45.5 | 89.9 | 3.5 | 11.6 | 0.8 | 0.1 | 3.78 | 18.6 | |
| 2007–08 | 81 | 81 | 34.3 | 50.4 | 47.0 | 90.6 | 3.5 | 11.1 | 0.6 | 0.1 | 3.64 | 16.9 | |
| 2008–09 | 74 | 74 | 33.6 | 50.3 | 43.9 | 93.3 | 3.0 | 9.7 | 0.7 | 0.1 | 3.5 | 15.7 | |
| 2009–10 | 81 | 81 | 32.8 | 50.7 | 42.6 | 93.8 | 3.3 | 11.0 | 0.5 | 0.1 | 3.6 | 16.5 | |
| 2010–11 | 75 | 75 | 33.3 | 49.2 | 39.5 | 91.2 | 3.5 | 11.4 | 0.6 | 0.1 | 3.5 | 14.7 | |
| 2011–12 | 62 | 62 | 31.6 | 53.2 | 39.0 | 89.4 | 3.0 | 10.7 | 0.6 | 0.1 | 3.7 | 12.5 | |
| 2012–13 | LAL | 50 | 50 | 32.5 | 49.7 | 43.8 | 92.2 | 2.8 | 6.7 | 0.6 | 0.1 | 2.5 | 12.7 |
| 2013–14 | 15 | 10 | 20.9 | 38.3 | 33.3 | 91.7 | 1.9 | 5.7 | 0.5 | 0.1 | 2.1 | 6.8 | |
| 通算 | 1,217 | 1,052 | 31.3 | 49.0 | 42.8 | 90.4 | 3.0 | 8.5 | 0.7 | 0.1 | 2.9 | 14.3 | |
第2次フェニックス・サンズ時代は毎年のように10アシスト以上を記録
スティーブ・ナッシュのスタッツの中でひときわ目を引くのが「アシスト」の行なのではないでしょうか?
キャリア平均8.5アシストも素晴らしいですが、特にフェニックス・サンズへ出戻りしてからの2004–05シーズン〜2011–12シーズンまでの期間はほぼ毎年10アシスト以上を記録し続けており、そのわずか8シーズンの間に5度のアシスト王を受賞するという快挙を成し遂げています。
この大記録の裏には先ほどご紹介した「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」の影響があることは間違いありませんが、それでもスティーブ・ナッシュの視野とパスセンスなしには絶対に成し遂げることはできなかったでしょう。
キャリア平均フリースロー成功率「90.43%」はNBA史上最高クラスの数字
シュートの名手として知られているナッシュはどの距離からのシュートもかなりの高確率で沈めていましたが、特に注目し欲しいのは「フリースロー%」です。
世界最高峰の選手たちが集うNBAですら、フリースロー%のリーグ平均は毎年77〜78%前後であるのに対し、ナッシュのキャリア平均は脅威の90.43%。
実はこれ、NBA史上2位の数値であり、他に9割以上を記録している選手は歴史上でもマーク・プライス(90.39%)とステフィン・カリー(91.1%)のみとなっています。
先ほどご紹介した4度の「50-40-90クラブ」もそうですが、ナッシュがNBA史上最も効率よく得点を決める能力を持った選手の1人であることは間違いないでしょう。
まとめ
今回はNBA史上屈指のセンスを持つポイントガード「スティーブ・ナッシュ」についてご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか?
2004-05シーズン以降のフェニックス・サンズ時代が凄すぎて順風満帆なキャリアだったように思われがちですが、NBA入りしてしばらくの間は「実力はあるけどチームの中心に据えるには不十分な選手」として、なかなか定着できるチームがなかった苦労人でもあります。
ただ、その分サンズの「7秒オフェンス(7 Seconds or Less)」のインパクトは凄まじく、NBAの歴史に名を刻んだレジェンドであることは間違いありません。
ナッシュのパス集などはオシャレすぎて見入ってしまうものばかりですので、まだナッシュのプレーを見たことがないという方はぜひ一度ハイライト集などを見てみてくださいね!