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【NBAファイナル1994】ヒューストン・ロケッツ VS ニューヨーク・ニックス 全7試合の結果や流れを詳しく解説!

皆さんこんにちは!

NBA好きブログライターのおしょうサンドです。

 

国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。

これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。

一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。

その確率は脅威の0.0001%。

例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。

 

そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。

本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。

 

そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。

特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。

その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。

 

今回はその中から「NBAファイナル1994 ヒューストン・ロケッツ VS ニューヨーク・ニックス」の対決をご紹介しましょう!

皆さんがNBAの歴史を知り、もっともっとNBAを好きになるきっかけになることができれば光栄です。

それではティップオフ!!

 

NBAファイナル1994に出場したチームの背景を知ろう!

1994年NBAファイナルはウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「ヒューストン・ロケッツ」とイースタン・カンファレンスチャンピオンの「ニューヨーク・ニックス」の戦いでした。

まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!

 

ヒューストン・ロケッツ

1993-94シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 58勝24敗(カンファレンス2位)
プレーオフ1回戦 3勝1敗(VS ポートランド・トレイルブレイザーズ)
カンファレンス・セミファイナル 4勝3敗(VS フェニックス・サンズ)
カンファレンス・ファイナル 4勝1敗(VS ユタ・ジャズ)

 

「ヒューストン・ロケッツ」は に拠点を置くチームです。

エースは”Dream”「アキーム・オラジュワン」。

レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にクライド。ドレクスラー率いる「ポートランド・トレイルブレイザーズ」を、準決勝ではチャールズ・バークレーを獲得した「フェニックス・サンズ」を、決勝戦でストックトンとマローンの「ユタ・ジャズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

この年優勝を果たしたヒューストン・ロケッツがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!

 

ニューヨーク・ニックス

1993-94シーズン ファイナルまでの試合成績
レギュラーシーズン 57勝25敗(カンファレンス2位)
プレーオフ1回戦 3勝1敗(VS ニュージャージー・ネッツ)
カンファレンス・セミファイナル 4勝3敗(VS シカゴ・ブルズ)
カンファレンス・ファイナル 4勝3敗(VS インディアナ・ペイサーズ)

 

「ニューヨーク・ニックス」は に拠点を置くチームです。

エースは”キングコング”「パトリック・ユーイング」。

レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にチャック・デイリーHC率いる「ニュージャージー・ネッツ」を、準決勝ではスコッティ・ピッペンとトニー・クーコッチの「シカゴ・ブルズ」を、決勝戦でレジー・ミラーを要する「インディアナ・ペイサーズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。

 

NBAファイナル1994の出場選手・ロスター

次にNBAファイナル1994で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!

 

ヒューストン・ロケッツの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
PF 7 カール・ヘレラ(Carl Herrera) 206 98 1966年12月14日
SF 21 クリス・ジェント(Chris Jent) 201 100 1970年1月11日
PF 35 アール・キュアトン(Earl Cureton) 206 95 1957年9月3日
C 42 エリック・ライリー(Eric Riley) 213 111 1970年6月2日
C 34 アキーム・オラジュワン(Hakeem Olajuwon) 213 116 1963年1月21日
PG 30 ケニー・スミス(Kenny Smith) 191 77 1965年3月8日
SG 20 ラリー・ロビンソン(Larry Robinson) 191 82 1968年1月11日
SF 17 マリオ・エリー(Mario Elie) 196 95 1963年11月26日
PF 50 マット・バラード(Matt Bullard) 208 98 1967年6月5日
PF 33 オーティス・ソープ(Otis Thorpe) 206 102 1963年11月26日
C 3 リチャード・ペトルシュカ(Richard Petruška) 208 118 1969年1月25日
SF 25 ロバート・オーリー(Robert Horry) 208 109 1970年8月25日
PG 10 サム・キャセール(Sam Cassell) 191 84 1969年11月18日
PG 1 スコット・ブルックス(Scott Brooks) 180 74 1965年7月31日
SG 11 バーノン・マックスウェル(Vernon Maxwell) 193 82 1965年9月12日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

ニューヨーク・ニックスの出場選手一覧

表は左方向にスクロールすることが可能です。

ポジション 背番号 名前 身長(cm) 体重(kg) 生年月日
SF 4 アンソニー・ボナー(Anthony Bonner) 203 98 1968年6月8日
PF 14 アンソニー・メイソン(Anthony Mason) 201 113 1966年12月14日
PF 34 チャールズ・オークリー(Charles Oakley) 203 102 1963年12月18日
SF 54 チャールズ・スミス(Charles Smith) 208 104 1965年7月16日
SG 7 コーリー・ゲインズ(Corey Gaines) 191 88 1965年6月1日
PG 11 デレック・ハーパー(Derek Harper) 193 84 1961年10月13日
PG 25 ドック・リバース(Doc Rivers) 193 84 1961年10月13日
PF 42 エリック・アンダーソン(Eric Anderson) 206 100 1970年5月26日
SF 35 ジェラルド・パディオ(Gerald Paddio) 201 93 1965年4月21日
PG 50 グレッグ・アンソニー(Greg Anthony) 183 80 1967年11月15日
C 32 ハーブ・ウィリアムズ(Herb Williams) 208 110 1958年2月16日
SG 44 ヒューバート・デイビス(Hubert Davis) 195 83 1970年5月17日
SG 3 ジョン・スタークス(John Starks) 191 82 1965年8月10日
C 33 パトリック・ユーイング(Patrick Ewing) 213 109 1962年8月5日
SG 20 ローランド・ブラックマン(Rolando Blackman) 198 86 1959年2月26日
SF 9 トニー・キャンベル(Tony Campbell) 201 98 1962年5月7日

PG ポイントガード
SG シューティングガード
SF スモールフォワード
PF パワーフォワード
C センター

 

NBAファイナル1994のシリーズ概要

それではいよいよNBAファイナル1994の試合の結果を見ていきましょう!

1993-94シーズンのNBAチャンピオンは「ヒューストン・ロケッツ」。

チームとしては初の優勝となりました。

対戦成績は4勝3敗。

詳細な試合結果は以下のとおりです。

試合 日付 アウェイ 結果 ホーム
1 6月8日 ニューヨーク・ニックス 78-85 ヒューストン・ロケッツ
2 6月10日 ニューヨーク・ニックス 91-83 ヒューストン・ロケッツ
3 6月12日 ヒューストン・ロケッツ 93-89 ニューヨーク・ニックス
4 6月15日 ヒューストン・ロケッツ 82-91 ニューヨーク・ニックス
5 6月17日 ヒューストン・ロケッツ 91-84 ニューヨーク・ニックス
6 6月19日 ニューヨーク・ニックス 84-86 ヒューストン・ロケッツ
6月22日 ニューヨーク・ニックス 84-90 ヒューストン・ロケッツ

 

ファイナルMVPは「アキーム・オラジュワン」。

個人としては初のNBAファイナルで初のファイナルMVP受賞となりました。

 

NBAファイナル1994の試合の概要

ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。

ヒューストン・ロケッツがチーム史上初の優勝を成し遂げたシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!

 

第1戦(78-85 ヒューストン・ロケッツ Win)

NBAファイナルの1回戦はヒューストン・ロケッツのホーム「ザ・アリーナ」で始まりました。

カンファレンスファイナルを4勝1敗で終え休養十分なロケッツと第7戦まで戦い中2日で試合に臨んだニックスとの戦いということで、初戦はロケッツが有利と予想されていました。

試合が始まると下馬評どおり、体力の有り余るロケッツがニックスを圧倒。

序盤からパワフルなプレーで前半を46-54の8点リードで折り返すと、後半も勢い衰えずニックスに反撃の隙を与えないまま前半のリードを保ってロケッツが勝利。

この日ロケッツはオラジュワンが28得点10リバウンド、オーティス・ソープが14得点16リバウンドと激戦のインサイドを制し勝利に貢献しました。

一方ニックスはユーイングが23得点9リバウンドと気を吐きますが、ロケッツのパワーに押し切られる形となりました。

 

第2戦(91-83 ニューヨーク・ニックス Win)

ロケッツリードで迎えた第2戦。

この日はインサイドのディフェンスが機能したニックスがロケッツのシュート効率を落とすことに成功し有利に試合を進めました。

前半こそ互角の戦いで42-42の同点で折り返しますが、後半に入るとニックスが攻撃の多彩さをみせ一気にリードを広げました。

第4Qは互いに高いディフェンス力を発揮しロースコアな展開となりますが、そこまでのリードを守り切ったニックスが逃げ切る形で勝利しました。

この日ニックスはオラジュワンの6ブロックをはじめとしてチーム全体で10ブロックを記録しロケッツのシュートに圧力をかけ続けました。

オフェンスでも20得点以上記録した選手はいなかったものの6選手が2桁得点を記録する攻撃手段の多さを披露し勝利を掴みました。

一方ロケッツはオラジュワンが25得点、マクスウェルが20得点と健闘するものの、ロケッツのディフェンスの前にシュート率が39%まで落ち込み追いつくことができませんでした。

 

第3戦(93-89 ヒューストン・ロケッツ Win)

1-1のタイとなって迎えた第3戦。

舞台はニューヨーク・ニックスのホーム「マディソン・スクエア・ガーデン」に移ります。

ニックスは熱狂的なファンが多いことで有名であり、この日のマディソン・スクエア・ガーデンも大歓声とブーイングの中試合はスタートしました。

しかしそんなニックスファンを黙らせるかのようにオラジュワンが本領を発揮します。

ファンの声援を背に流れに乗りたいニックスの前に立ちはだかり45-38と7点のリードを奪って前半を折り返すと、後半もニックスの反撃を真正面から受け続けリードを守り切って勝利。

ニックスも最後は2点さまで詰め寄りましたが、ロケッツのルーキーサム・キャセールが値千金の決勝シュートを決めニックスに引導を渡しました。

この試合オラジュワンは21得点11リバウンド7アシスト7ブロックという天性のオールラウンダー性を発揮しロケッツを牽引。

ニックスは4選手が2桁得点を取るなど粘りましたが、ファンの期待に応えることはできませんでした。

 

第4戦(82-91 ニューヨーク・ニックス Win)

ロケッツリードで迎えた第4戦。

前日に同じマディソン・スクエア・ガーデンでニューヨークのアイスホッケーチームであるレンジャースがスタンレーカップ・ファイナル最終戦を制し54年ぶりの優勝を決めており、この日の会場は異様な熱気を帯びていました。

そんな中始まった戦いは序盤ニックスが優勢に進め33-40と7点のリードを奪って折り返しますが、第3Qにオラジュワンの反撃を受け最後に逆転を許して第4Qへ向かいました。

勝負の第4Qは序盤逆転で流れに乗ったロケッツが得点を重ね最大11点のリードを奪いますが、負ければ後がなくなるニックスがファンの前で意地の反撃に移ります。

会場の雰囲気も相まって完全に流れに乗ったニックスはみるみるうちに点差をなくし一気に逆転。

そのまま最後まで勢いを保ち点差を広げたニックスが勝利しました。

この日ニックスはスタメン全員が2桁得点をとる活躍でロケッツに的を絞らせず勝利を掴みました。

一方ロケッツはオラジュワンが32得点と奮闘するものの終盤得点が止まり、逆転を許しました。

 

第5戦(84-91 ニューヨーク・ニックス Win)

2勝2敗のタイで迎えた第5戦。

この試合は途中試合中継がNFLのスーパースターによる逃走劇に切り替わり見れなくなるという珍事件が起きたものの、ホームのニックスが勝利をモノにしました。

この試合も前半からかなりの接戦となり、第3Q終了時点で61-61の同点。

第3Q終盤に勢いに乗ったロケッツが第4Qも優勢に進めるかと思われましたが、ここでニックスのエースがファンの期待に答えます。

第4Qはハイテンポな殴り合いとなりましたが、ユーイングがこの試合8ブロック記録したことでニックスのディフェンスに安定感をもたらし最後は競り勝つ形でニックスが勝利しました。

この試合ユーイングは25得点12リバウンド8ブロックを記録しチームを牽引。

8ブロックは当時のNBAファイナルでの最多記録となりました。

この試合によりニックスが逆転する形で優勝に王手をかけました。

 

第6戦(84-86 ヒューストン・ロケッツ Win)

ニックスが優勝に王手をかけた状態で迎えた第6戦。

舞台はロケッツのホーム「ザ・サミット」に戻ります。

この試合はシリーズきっての劇的展開となります。

後がないロケッツは序盤から積極的にニックスのゴールに迫り前半を36−46の10点リードで折り返しますが、後半になるとニックスの反撃を受けます。

第3Qが終わる頃には点差はわずか3点に縮まっており、迎えた第4Q、ニックスの伏兵ジョン・スタークスが第4Qだけで16得点を記録する大爆発を披露。

絶対絶命のロケッツでしたがなんとか2点のリードを守り終盤までたどり着くと、試合時間1.5秒を残してニックスの最後の攻撃に。

ボールは第4Q絶好調のスタークスの手に渡り逆転の3ポイントを放ちますが、それを読んでいたオラジュワンが起死回生の指先ブロック。

エースが全力のプレイでチームに勝利をもたらしました。

これによりシリーズは3-3のタイになり、勝負は第7戦までもつれ込みます。

 

第7戦(84-90 ヒューストン・ロケッツ Win)

運命の第7戦。

泣いても笑ってもこの試合に勝った方が優勝となる一戦です。

試合は異様な緊張感の中点差が開かず43-45と大接戦のまま前半を折り返します。

しかしこの日ここまでニックスを幾度となく引っ張ったジョン・スタークスが絶不調。

打てども打てどもシュートが入らず顔を顰めながらシュートを打つ姿が印象的でした。

それでもパット・ライリーHCはスタークスを使い続ける決断をし、チームもそれに納得した状態で後半に向かいました。

結果としてこの采配は裏目に出てしまい、この日のスタークスはフィールドゴール2/18の8得点。

ニックスのラストショットもスタークスのエアボールに終わり、ロケッツが終盤を制してチーム初となるNBA制覇に輝きました。

 

まとめ

今回は「NBAファイナル1994 ヒューストン・ロケッツ VS ニューヨーク・ニックス」の対決をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

ビッグマン全盛の時代に東西の最強ビッグマンが激突した一戦ということでかなりアツい戦いが多かったように思います。

マイケル・ジョーダンがメジャーへの挑戦で一時引退し、次のNBAの覇権を握るのは誰かという論争は当時多くのメディアやファンの間でされていましたが、優勝してもなおロケッツが覇権を握ったと考える人は少なく、ロケッツは来シーズン再度その証明に挑むこととなります。

やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!

他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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