皆さんこんにちは!
NBA好きブログライターのおしょうサンドです。
国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。
これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。
一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。
その確率は脅威の0.0001%。
例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。
そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。
本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。
そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。
特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。
その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。
今回はその中から「NBAファイナル1970 ニューヨーク・ニックス VS ロサンゼルス・レイカーズ」の対決をご紹介しましょう!
NBAをよく知らないという方にもわかりやすく説明していきますのでぜひ最後までお読みくださいね!
それではティップオフ!!
NBAファイナル1970に出場したチームの背景を知ろう!
1970年NBAファイナルはイースタン・カンファレンスチャンピオンの「ニューヨーク・ニックス」とウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「ロサンゼルス・レイカーズ」の戦いでした。
まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!
ニューヨーク・ニックス
1969-70シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 60勝22敗(カンファレンス1位) |
プレーオフ1回戦 | - |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝3敗(VS ボルティモア・ブレッツ) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝1敗(VS ミルウォーキー・バックス) |
「ニューヨーク・ニックス」はニューヨーク州ニューヨークに拠点を置くチームです。
エースは「ウィリス・リード」。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは準決勝でガス・ジョンソンらの「ボルティモア・ブレッツ」を、決勝戦で大型新人ルー・アルシンダーを獲得した「ミルウォーキー・バックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。
この年優勝を果たしたニューヨーク・ニックスがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!
ロサンゼルス・レイカーズ
1969-70シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 46勝36敗(カンファレンス2位) |
プレーオフ1回戦 | - |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝3敗(VS フェニックス・サンズ) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝0敗(VS アトランタ・ホークス) |
「ロサンゼルス・レイカーズ」はカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置くチームです。
エースは「ジェリー・ウエスト」。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは準決勝でコニー・ホーキンズ率いる「フェニックス・サンズ」を、決勝戦でアトランタに移転したばかりの「アトランタ・ホークス」を倒し、NBAファイナルに進みました。
NBAファイナル1970の出場選手・ロスター
次にNBAファイナル1970で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!
ニューヨーク・ニックスの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
SF | 24 | ビル・ブラッドリー(Bill Bradley) | 196 | 93 | 1943年7月28日 |
PF | 20 | ビル・ホスケット(Bill Hosket) | 203 | 102 | 1946年12月20日 |
SF | 33 | カジー・ラッセル(Cazzie Russell) | 196 | 99 | 1944年6月7日 |
PF | 22 | デイブ・ディバッシャー(Dave DeBusschere) | 198 | 100 | 1940年10月16日 |
SF | 9 | デイブ・ストールワース(Dave Stallworth) | 201 | 91 | 1941年12月20日 |
SG | 12 | ディック・バーネット(Dick Barnett) | 193 | 86 | 1936年10月2日 |
SF | 5 | ドン・メイ(Don May) | 193 | 91 | 1946年1月3日 |
SG | 16 | ジョン・ウォーレン(John Warren) | 191 | 81 | 1947年7月7日 |
SG | 6 | マイク・リオーダン(Mike Riordan) | 193 | 91 | 1945年7月9日 |
C | 17 | ネイト・ボーウェン(Nate Bowman) | 208 | 104 | 1943年3月19日 |
PG | 10 | ウォルト・フレイジャー(Walt Frazier) | 193 | 91 | 1945年3月29日 |
C | 19 | ウィリス・リード(Willis Reed) | 208 | 107 | 1942年6月25日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
ロサンゼルス・レイカーズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
PF | 30 | ビル・ヒューイット(Bill Hewitt) | 201 | 95 | 1944年8月8日 |
SG | 20 | ディック・ギャレット(Dick Garrett) | 191 | 84 | 1947年1月31日 |
SF | 22 | エルジン・ベイラー(Elgin Baylor) | 196 | 102 | 1934年9月16日 |
PF | 52 | ハッピー・ハーストン(Happy Hairston) | 201 | 102 | 1942年5月31日 |
PG | 44 | ジェリー・ウエスト(Jerry West) | 191 | 79 | 1938年5月28日 |
PF | 14 | ジョン・トレスヴァント(John Tresvant) | 201 | 97 | 1939年11月6日 |
PG | 21 | ジョニー・イーガン(Johnny Egan) | 180 | 82 | 1939年1月31日 |
SF | 24 | キース・エリクソン(Keith Erickson) | 196 | 88 | 1944年4月19日 |
C | 31 | メル・カウンツ(Mel Counts) | 213 | 104 | 1941年10月16日 |
SF | 33 | マイク・リン(Mike Lynn) | 201 | 97 | 1945年11月25日 |
C | 35 | リック・ロバーソン(Rick Roberson) | 206 | 105 | 1947年7月7日 |
SG | 15 | ウィリー・マッカーター(Willie McCarter) | 191 | 79 | 1946年7月26日 |
C | 13 | ウィルト・チェンバレン(Wilt Chamberlain) | 216 | 125 | 1936年8月21日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
NBAファイナル1970のシリーズ概要
それではいよいよNBAファイナル1970の試合の結果を見ていきましょう!
1969-70シーズンのNBAチャンピオンは「ニューヨーク・ニックス」。
チームとしては史上初の優勝となりました。
対戦成績は4勝3敗。
詳細な試合結果は以下のとおりです。
試合 | 日付 | アウェイ | 結果 | ホーム |
---|---|---|---|---|
1 | 4月24日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 112-124 | ニューヨーク・ニックス |
2 | 4月27日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 105-103 | ニューヨーク・ニックス |
3 | 4月29日 | ニューヨーク・ニックス | 111-108 | ロサンゼルス・レイカーズ |
4 | 5月1日 | ニューヨーク・ニックス | 115-121 | ロサンゼルス・レイカーズ |
5 | 5月4日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 100-107 | ニューヨーク・ニックス |
6 | 5月6日 | ニューヨーク・ニックス | 113-135 | ロサンゼルス・レイカーズ |
7 | 5月8日 | ロサンゼルス・レイカーズ | 99-113 | ニューヨーク・ニックス |
ファイナルMVPはレイカーズの「ウィリス・リード」。
優勝を決める第7戦に足を痛めながらも出場し、プレーオフ史上に残る活躍をしたリードは文句なしの2代目ファイナルMVPを獲得しました。
NBAファイナル1970の試合の概要
ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。
NBA史に残る大激戦となったニックスとレイカーズのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!
第1戦(112-124 ニューヨーク・ニックス Win)
NBAファイナルの1回戦はニューヨーク・ニックスのホーム「マディソン・スクエア・ガーデン」で始まりました。
東西の大都市に本拠地を置くチーム同士の対決となり、ビル・ラッセルの引退により新時代が訪れたNBA界の派遣を握ろうとしていました。
第1戦はウィリス・リードが36得点16リバウンドの活躍でレイカーズを圧倒し、第3Qにレイカーズの反撃を受けるも第4Qは再度引き離して、ホームのニックスが勝利しました。
レイカーズもジェリー・ウエストが33得点、ウィルト・チェンバレンが17得点24リバウンド、エルジン・ベイラーが21得点20リバウンドと主力が活躍するも、他の選手の援護が得られず敗戦となりました。
第2戦(105-103 ロサンゼルス・レイカーズ Win)
ニックスリードで迎えた第2戦。
第1戦は終始ニックスが優位に試合を進めていたのに対し、第2戦はアウェイのレイカーズがディフェンスで踏ん張りをみせ、非常に接戦となります。
第1戦でリードに大量得点を取られたレイカーズはインサイドの守備を固め、チェンバレンがリバウンドに奮闘。
さらにオフェンスではウエストが第1戦を上回る34得点を決め、レイカーズが接戦を制しました。
ニックスはリードが29得点15リバウンドと流石の成績を残しますが、勝負所で得点が取れず敗戦となりました。
第3戦(111-108 ニューヨーク・ニックス Win)
対戦成績が1-1のタイで迎えた第3戦。
ここからシリーズはさらに激化していきます。
第3戦はシリーズ最初のオーバータイムにもつれ込む試合となりました。
ホームに映ったレイカーズは序盤から大量リードを奪い、この日34得点9アシストのウエストらの活躍により前半を42-56の14点リードで折り返します。
しかし後半、ニックスが脅威的な巻き返しをみせ、第4Q終盤の土壇場で同点。
試合はオーバータイムへ突入しました。
オーバータイムでは追い上げて勢いに乗ったニックスがレイカーズアリーナの声援をものともせず終盤を制し勝利。
リードが38得点17リバウンドと爆発し、ほぼ独力でニックスにアウェイでの貴重な1勝をもたらしました。
第4戦(115-121 ロサンゼルス・レイカーズ Win)
再びニックスリードで迎えた第4戦。
第3戦にホームでギリギリの敗北を喫したレイカーズはリベンジに燃えます。
第3戦のリードにアンサーを返すようにウエストは37得点17アシストを記録し、エルジン・ベイラーも30得点13リバウンドと躍動。
前半をレイカーズリードで終えます。
しかし後半再度ニックスが反撃を開始。
この日好調だったディック・バーネットが29得点の活躍でニックスを牽引すると、第4Qで追いつき、またも同点でタイムアップ。
2試合連続のオーバータイムに選手の疲労もあったのかオーバータイムは両チーム主力のオフェンスが相手チームのディフェンスを完全に凌駕する展開に。
オーバータイムだけで16-22の点取合戦となった末、ホームのレイカーズが勝利しました。
第5戦(100-107 ニューヨーク・ニックス Win)
再び対戦成績2-2として迎えた第5戦。
対戦の舞台をニューヨークに戻して行われたこの日の試合は、意外にも序盤レイカーズリードで始まります。
前半は40得点と低調なオフェンスに終わったニックスは後半またも脅威的な巻き返しを披露。
ホームの声援に押され勢いに乗ったニックスは第3Qからぐんぐん差をつめ、第4Qにはついに逆転。
しかしここでニックスに絶望的な状況が訪れます。
ニックスのエースセンターであるウィリス・リードの右太ももの部分断裂。
この試合は終盤のレイカーズの低調なパフォーマンスに助けられニックスが勝利しましたが、大きな代償を払うこととなってしまいました。
第6戦(113-135 ロサンゼルス・レイカーズ Win)
ニックスリードで迎えた第6戦。
この試合リードは怪我で欠場が発表され、ニックスは絶望的な状況に立たされます。
試合が始まると、エースセンターをかいたニックスにはレイカーズの稀代のビッグマンであるウィルト・チェンバレンを止める手立てがなく、終始チェンバレンがインサイドを蹂躙。
終わってみればチェンバレンは45得点27リバウンドというモンスターパフォーマンスを記録し、大差でレイカーズが勝利しました。
この勝利により対戦成績は3-3のタイとなり、勝負は第7戦に突入することが決まりました。
しかし、リードを欠いたニックスとBIG3揃い踏みのレイカーズとでは勝敗は決まっているかのように思われました。
第7戦(99-113 ニューヨーク・ニックス Win)
NBA史に残る第7戦。
舞台をマディソン・スクエア・ガーデンに移して行われたこの試合は、ニックス史上最高の試合の1つとなります。
絶望すら感じながらもそれでも応援に駆けつけたファンの前に現れたのは、ユニフォーム姿のウィリス・リードでした。
本来なら絶対にプレイできない状態でしたが、右足に痛み止めの注射を打ちコートに立ったリードは最初の2本のシュートを決めて4得点を記録。
リードの得点はこれ以降1度もありませんでしたが、ピンチに立ち上がったエースの姿はニックスの選手たちを鼓舞するには十分すぎるものでした。
そこからニックスは、ウォルト・フレイジャーが36得点19アシスト7リバウンド、ディック・バーネットが21得点、デイブ・ディバッシャーが18得点、ビル・ブラッドリーが17得点とスタメンが大爆発し、前半だけでレイカーズに27点差をつける猛攻を展開。
後半はレイカーズからの反撃を受けるも、ニックスの選手は必死に食らいつき、点差を守り切って勝利を掴みました。
絶望的展開から劇的勝利を掴んだニックスは悲願の初優勝を掴んだのでした。
まとめ
今回は「NBAファイナル1970 ニューヨーク・ニックス VS ロサンゼルス・レイカーズ」の対決をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
そもそもが両者互角の接戦だった上で、エースの怪我という急展開。
それでもエースが勇姿をみせ、仲間を鼓舞して優勝するというストーリーがアツすぎるNBAファイナルとなりました。
やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!
他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!
それではまた次の記事でお会いしましょう!