皆さんこんにちは!
NBA好きブログライターのおしょうサンドです。
国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。
これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。
一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。
その確率は脅威の0.0001%。
例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。
そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。
本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。
そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。
特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。
その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。
今回はその中から「NBAファイナル1977 ポートランド・トレイルブレイザーズ VS フィラデルフィア・76ers」の対決をご紹介しましょう!
NBAをよく知らないという方にもわかりやすく説明していきますのでぜひ最後までお読みくださいね!
それではティップオフ!!
NBAファイナル1977に出場したチームの背景を知ろう!
1977年NBAファイナルはウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「ポートランド・トレイルブレイザーズ」とイースタン・カンファレンスチャンピオンの「フィラデルフィア・76ers」の戦いでした。
まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!
ポートランド・トレイルブレイザーズ
1976-77シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 49勝33敗(カンファレンス3位) |
プレーオフ1回戦 | 2勝1敗(VS シカゴ・ブルズ) |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝2敗(VS デンバー・ナゲッツ) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝0敗(VS ロサンゼルス・レイカーズ) |
「ポートランド・トレイルブレイザーズ」はオレゴン州ポートランドに拠点を置くチームです。
エースは生え抜き3年目の「ビル・ウォルトン」。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にボブ・ラブやジェリー・スローンらの「シカゴ・ブルズ」を、準決勝ではデビッド・トンプソンやダン・イッセルの「デンバー・ナゲッツ」を、決勝戦でカリーム・アブドゥル=ジャバーを要する「ロサンゼルス・レイカーズ」を倒し、NBAファイナルに進みました。
この年優勝を果たしたポートランド・トレイルブレイザーズがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!
フィラデルフィア・76ers
1976-77シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 50勝32敗(カンファレンス1位) |
プレーオフ1回戦 | シード権 |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝3敗(VS ボストン・セルティクス) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝2敗(VS ヒューストン・ロケッツ) |
「フィラデルフィア・76ers」はペンシルベニア州フィラデルフィアに拠点を置くチームです。
エースは”Dr.J”こと「ジュリアス・アービング」。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは準決勝で昨年王者の「ボストン・セルティクス」を、決勝戦でモーゼス・マローンを要する「ヒューストン・ロケッツ」を倒し、NBAファイナルに進みました。
NBAファイナル1977の出場選手・ロスター
次にNBAファイナル1977で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!
ポートランド・トレイルブレイザーズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
C | 32 | ビル・ウォルトン(Bill Walton) | 211 | 95 | 1952年11月5日 |
SF | 30 | ボブ・グロス(Bob Gross) | 198 | 91 | 1953年8月3日 |
PF | 22 | クライド・メイズ(Clyde Mayes) | 203 | 102 | 1953年3月17日 |
SF | 10 | コーキー・カルフーン(Corky Calhoun) | 201 | 95 | 1950年11月1日 |
PG | 13 | デイブ・トワールジック(Dave Twardzik) | 185 | 80 | 1950年9月20日 |
SG | 3 | ハーム・ギリアム(Herm Gilliam) | 191 | 86 | 1946年5月5日 |
SG | 16 | ジョニー・デイビス(Johnny Davis) | 188 | 77 | 1955年10月21日 |
SG | 15 | ラリー・スティール(Larry Steele) | 196 | 82 | 1949年5月5日 |
PG | 14 | ライオネル・ホリンズ(Lionel Hollins) | 191 | 84 | 1953年10月19日 |
PF | 36 | ロイド・ニール(Lloyd Neal) | 201 | 102 | 1950年12月10日 |
PF | 20 | モーリス・ルーカス(Maurice Lucas) | 206 | 98 | 1952年2月18日 |
C | 34 | ロビン・ジョーンズ(Robin Jones) | 206 | 102 | 1954年2月2日 |
SF | 42 | ウォーリー・ウォーカー(Wally Walker) | 201 | 96 | 1954年7月18日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
フィラデルフィア・76ersの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
C | 11 | コールドウェル・ジョーンズ(Caldwell Jones) | 211 | 98 | 1950年8月4日 |
C | 53 | ダリル・ドーキンス(Darryl Dawkins) | 211 | 114 | 1957年1月11日 |
SG | 20 | ダグ・コリンズ(Doug Collins) | 198 | 82 | 1951年7月28日 |
SG | 3 | フレッド・カーター(Fred Carter) | 191 | 84 | 1945年2月14日 |
PF | 30 | ジョージ・マクギニス(George McGinnis) | 203 | 107 | 1950年8月12日 |
C | 42 | ハーベイ・キャッチングズ(Harvey Catchings) | 206 | 99 | 1951年9月2日 |
PG | 14 | ヘンリー・ビビー(Henry Bibby) | 185 | 84 | 1949年11月24日 |
SG | 33 | ジム・バーネット(Jim Barnett) | 193 | 77 | 1944年7月7日 |
PF | 23 | ジョー・ブライアント(Joe Bryant) | 206 | 84 | 1954年10月19日 |
SF | 6 | ジュリアス・アービング(Julius Erving) | 201 | 92 | 1950年2月22日 |
PG | 10 | マイク・ダンリービー(Mike Dunleavy) | 191 | 82 | 1954年3月21日 |
SF | 50 | スティーブ・ミックス(Steve Mix) | 201 | 98 | 1947年12月30日 |
SG | 25 | テリー・ハーロー(Terry Furlow) | 193 | 86 | 1954年10月18日 |
SG | 21 | ワールド・B・フリー(World B. Free) | 188 | 84 | 1953年12月9日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
NBAファイナル1977のシリーズ概要
それではいよいよNBAファイナル1977の試合の結果を見ていきましょう!
1976-77シーズンのNBAチャンピオンは「ポートランド・トレイルブレイザーズ」。
チームとしては史上初の優勝となりました。
対戦成績は4勝2敗。
詳細な試合結果は以下のとおりです。
試合 | 日付 | アウェイ | 結果 | ホーム |
---|---|---|---|---|
1 | 5月22日 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 101-107 | フィラデルフィア・76ers |
2 | 5月26日 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 89-107 | フィラデルフィア・76ers |
3 | 5月29日 | フィラデルフィア・76ers | 107-129 | ポートランド・トレイルブレイザーズ |
4 | 5月31日 | フィラデルフィア・76ers | 98-130 | ポートランド・トレイルブレイザーズ |
5 | 6月3日 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 110-104 | フィラデルフィア・76ers |
6 | 6月5日 | フィラデルフィア・76ers | 107-109 | ポートランド・トレイルブレイザーズ |
ファイナルMVPは「ビル・ウォルトン」。
得点、リバウンドでチームに大きく貢献したウォルトンは、自身初となるファイナルMVPを受賞しました。
NBAファイナル1977の試合の概要
ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。
ブレイザーズが史上初めてNBAを制したシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!
第1戦(101-107 フィラデルフィア・76ers Win)
NBAファイナルの1回戦はフィラデルフィア・76ersのホーム「ザ・スペクトラム」で始まりました。
両チームウォルトンとアービングという若きスーパースターを抱えるチーム同士のファイナルとなったこの試合。
第1戦はアービングの美しいダンクから始まりました。
試合は序盤から殴り合いの接戦となり、前半を53-55の76ersがわずか2点リードで折り返します。
しかし後半になるとこの日33得点のアービングと30得点のダグ・コリンズを中心に76ersが攻勢を強め点差を広げると、そのまま点差を守って76ersが勝利を掴みました。
ブレイザーズはウォルトンが28得点20リバウンドと孤軍奮闘しますが、チームが34ターンオーバーと集中力に欠け得点を伸ばせずに敗戦となりました。
第2戦(89-107 フィラデルフィア・76ers Win)
76ersリードで迎えた第2戦。
76ersが第1戦で大暴れされたウォルトンを17得点16リバウンドとなんとか抑え込むことに成功。
これによりブレイザーズのオフェンスが完全に停滞し、76ersが終始試合をリードする展開で勝利しました。
しかし第4Qの試合終盤、勝負はほとんど決まった状態でのリバウンド争いでブレイザーズのボブ・グロスと76ersのダリル・ドーキンスの小競り合いが発生。
小競り合いは横から入ってきたモーリス・ルーカスがドーキンスを後ろから叩いたことで大乱闘へ発展し、ルーカスとドーキンスは退場と2,500ドルの罰金が科せられました。
第3戦(107-129 ポートランド・トレイルブレイザーズ Win)
76ersの2連勝で迎えた第3戦。
舞台はブレイザーズのホームアリーナ「メモリアル・コロシアム」に移ります。
この日の試合前にルーカスがドーキンスに和解の握手を求め、これにドーキンスが応じるシーンが見られました。
そんな中始まった試合はホームコートという地の利を手にしたブレイザーズが覚醒。
序盤に大きな点差を奪うとその後徐々に76ersの反撃を受けますが、第4Qに入ると爆発。
第4Qだけで42得点を奪い大差で76ersを退けました。
この日握手で和解を求めたルーカスはチームハイの27得点12リバウンドと大暴れし、ブレイザーズ爆発の原動力となりました。
第4戦(98-130 ポートランド・トレイルブレイザーズ Win)
ブレイザーズが1勝を返して迎えた第4戦。
第3戦の大敗を挽回したい76ersはジーン・シューHCの策略でジョージ・マクギニスとコールドウェル・ジョーンズらのインサイド中心のオフェンスに変更して挑みました。
しかし、ここでブレイザーズのビル・ウォルトンがインサイドプレイヤーとしての格の差を見せつけるかのように13リバウンド4ブロックと2人を制圧し、76ersのオフェンスを停滞させました。
その間点差を広げたブレイザーズはまたも第3Qに41得点とビッグクォーターを作り大差で76ersに圧勝。
2連敗の後の2連勝でブレイザーズがシリーズをタイに戻しました。
第5戦(110-104 ポートランド・トレイルブレイザーズ Win)
勝負の第5戦。
勝った方が優勝に王手となる両者絶対に落とせない試合でしたが、流れは完全にブレイザーズに傾いていました。
76ersはこの流れをなんとか断ち切るべく、アービングの提案で序盤からファールゲームをするという奇策を決行。
確かにブレイザーズのオフェンスは停滞させることができましたが、76ersは自らのシュート精度が著しく低く45-41とむしろブレイザーズリードで前半を終えます。
そして迎えた後半、これまでのフラストレーションを爆発させるかのようにブレイザーズが爆発し、第3Qに3戦連続となる40得点クォーターを作り大量リードを奪いました。
第4Qにはアービングが懸命の巻き返しを計りましたが、結局点差を詰め切ることができずブレイザーズが勝利。
この日ブレイザーズはウォルトンの24リバウンドとともにチーム全体で59リバウンドを奪取しました。
これはブレイザーズのチーム史上個人、チームともに最高の数字となります。
一方の76ersはアービングが37得点9リバウンド7アシストと奮闘しますが、3連敗を喫することになりました。
第6戦(107-109 ポートランド・トレイルブレイザーズ Win)
運命の第6戦。
舞台はブレイザーズのホームアリーナ「メモリアル・コロシアム」に戻ります。
2連敗の後の3連勝で優勝に王手をかけたチームを会場に集まったファンが大歓声で迎えました。
そんなファンの声援に背中を押されてか、ブレイザーズは4戦連続となる40点クォーターを第2Qで生み出し、55-67の12点リードで前半を折り返します。
しかし後半に入るとこの日40得点のアービングがほぼ単独での猛追をみせ、試合時間残り18秒にジョージ・マクギニスのシュートで107-109とその差2点まで詰め寄りました。
さらに76ersは土壇場でヘルドボールからジャンプボールを掴み取り、マクギニスが競り勝ったことで逆転のチャンスを得ました。
しかしここにきてアービングとマクギニスのシュートはゴールに嫌われることとなり、最後はウォルトンが決死のタップでボールをハーフライン付近まで弾き返した時点でブザーが鳴り試合終了。
ブレイザーズが4連勝でチーム初となるNBA制覇を成し遂げました。
まとめ
今回は「NBAファイナル1977 ポートランド・トレイルブレイザーズ VS フィラデルフィア・76ers」の対決をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
この年のブレイザーズは実はプレーオフ出場自体も初であり、初のプレーオフで初の優勝という快挙を成し遂げました。
この優勝によりブレイザーズは現地の熱狂的なファンから圧倒的な支持を受けるようになり、彼らの熱狂的なファンを総称する「ブレイザーマニア」という造語が生まれるなど一世を風靡しました。
やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!
他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!
それではまた次の記事でお会いしましょう!