皆さんこんにちは!
NBA好きブログライターのおしょうサンドです。
国際バスケットボール連盟(FIBA)によると、全世界のバスケットボールの競技人口はなんと4.5億人。
これはバレーボールの5億人に次いで全スポーツの中で2番目に多い数字です。
一方で、NBAでプレイをすることができる選手はたったの450人。
その確率は脅威の0.0001%。
例えではなく「ほんの一握り」しか所属することができないリーグです。
そんな世界最高峰のリーグに所属するすべての選手たちが求める高み、それが「NBAチャンピオン」。
本物の天才たちが生活のすべてをバスケに注ぎ、それでもなお1度も手が届かない選手がいる頂です。
そこを目指す選手たちが本気でぶつかるからこそ、プレーオフ(NBAの決勝トーナメント)では数多くの伝説が生まれます。
特にその年のチャンピオンを決める戦いである「NBAファイナル」はどの年も世界最高の試合が行われてきました。
その当時の最高の選手、最高のチーム、最高の戦術がぶつかり合うNBAファイナルは、もはやNBAの歴史そのものだと僕は思います。
今回はその中から「NBAファイナル1993 シカゴ・ブルズ VS フェニックス・サンズ」の対決をご紹介しましょう!
皆さんがNBAの歴史を知り、もっともっとNBAを好きになるきっかけになることができれば光栄です。
それではティップオフ!!
目次
NBAファイナル1993に出場したチームの背景を知ろう!
1993年NBAファイナルはイースタン・カンファレンスチャンピオンの「シカゴ・ブルズ」とウエスタン・カンファレンスチャンピオンの「フェニックス・サンズ」の戦いでした。
まずはそれぞれのチームの背景から見ていきましょう!
シカゴ・ブルズ
1992-93シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 57勝25敗(カンファレンス2位) |
プレーオフ1回戦 | 3勝0敗(VS アトランタ・ホークス) |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝0敗(VS クリーブランド・キャバリアーズ) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝2敗(VS ニューヨーク・ニックス) |
「シカゴ・ブルズ」はイリノイ州シカゴに拠点を置くチームです。
エースは”神様”「マイケル・ジョーダン」。
この年はマイケル・ジョーダンを中心に置いたチーム構成となって初めての3連覇がかかったシーズンとなりました。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にレニー・ウィルケンズHC率いる「アトランタ・ホークス」を、準決勝ではマイク・ラフテロHC率いる「クリーブランド・キャバリアーズ」を、決勝戦でパトリック・ユーイングを要する「ニューヨーク・ニックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。
この年優勝を果たしたシカゴ・ブルズがNBAファイナルに至るまでどのようなシーズンを過ごしたのか気になるという方は、こちらの記事もぜひお読みください!
フェニックス・サンズ
1992-93シーズン ファイナルまでの試合成績 | |
レギュラーシーズン | 62勝20敗(カンファレンス1位) |
プレーオフ1回戦 | 3勝2敗(VS ロサンゼルス・レイカーズ) |
カンファレンス・セミファイナル | 4勝2敗(VS サンアントニオ・スパーズ) |
カンファレンス・ファイナル | 4勝3敗(VS シアトル・スーパーソニックス) |
「フェニックス・サンズ」はアリゾナ州フェニックスに拠点を置くチームです。
エースは”空飛ぶ冷蔵庫”こと「チャールズ・バークレー」。
レギュラーシーズンを勝敗のカンファレンス位で終えると、プレーオフでは1回戦にショータイム・レイカーズを解体した直後の「ロサンゼルス・レイカーズ」を、準決勝ではデビット・ロビンソン要する「サンアントニオ・スパーズ」を、決勝戦でゲイリー・ペイトンを要する「シアトル・スーパーソニックス」を倒し、NBAファイナルに進みました。
NBAファイナル1993の出場選手・ロスター
次にNBAファイナル1993で各チームに所属していた選手達を見ていきましょう!
シカゴ・ブルズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
PG | 10 | B.J.アームストロング(B.J. Armstrong) | 188 | 79 | 1967年9月9日 |
C | 24 | ビル・カートライト(Bill Cartwright) | 215 | 111 | 1957年7月30日 |
PG | 12 | コーリー・ウィリアムズ(Corey Williams) | 188 | 86 | 1970年4月24日 |
PG | 20 | ダレル・ウォーカー(Darrell Walker) | 193 | 82 | 1961年3月9日 |
PF | 45 | エド・ニーリー(Ed Nealy) | 201 | 108 | 1960年2月19日 |
PF | 54 | ホーレス・グラント(Horace Grant) | 208 | 98 | 1965年7月4日 |
SG | 3 | ジョー・ジョー・イングリッシュ(Jo Jo English) | 193 | 88 | 1970年2月4日 |
PF | 40 | ジョー・コートニー(Joe Courtney) | 203 | 107 | 1969年10月17日 |
PG | 5 | ジョン・パクソン(John Paxson) | 188 | 84 | 1960年9月29日 |
SG | 23 | マイケル・ジョーダン(Michael Jordan) | 198 | 90 | 1963年2月17日 |
SF | 17 | リッキー・ブラントン(Ricky Blanton) | 201 | 98 | 1966年4月21日 |
SF | 22 | ロドニー・マクレイ(Rodney McCray) | 201 | 100 | 1961年8月29日 |
PF | 42 | スコット・ウィリアムズ(Scott Williams) | 208 | 104 | 1968年3月21日 |
SF | 33 | スコッティ・ピッペン(Scottie Pippen) | 203 | 95 | 1965年9月25日 |
C | 21 | ステイシー・キング(Stacey King) | 211 | 104 | 1967年1月29日 |
SG | 6 | トレント・タッカー(Trent Tucker) | 196 | 88 | 1959年12月20日 |
C | 32 | ウィル・パデュー(Will Perdue) | 213 | 109 | 1965年8月29日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
フェニックス・サンズの出場選手一覧
表は左方向にスクロールすることが可能です。
ポジション | 背番号 | 名前 | 身長(cm) | 体重(kg) | 生年月日 |
PF | 11 | アレックス・スティヴリンス(Alex Stivrins) | 203 | 100 | 1962年11月29日 |
SF | 23 | セドリック・セバロス(Cedric Ceballos) | 198 | 86 | 1969年8月2日 |
PF | 34 | チャールズ・バークレー(Charles Barkley) | 198 | 114 | 1963年2月20日 |
SG | 9 | ダン・マーリー(Dan Majerle) | 198 | 98 | 1965年9月9日 |
SG | 22 | ダニー・エインジ(Danny Ainge) | 193 | 79 | 1959年3月17日 |
PG | 3 | フランク・ジョンソン(Frank Johnson) | 185 | 84 | 1958年11月23日 |
PF | 0 | ジェロッド・ムスタフ(Jerrod Mustaf) | 208 | 108 | 1969年10月28日 |
PG | 7 | ケビン・ジョンソン(Kevin Johnson) | 185 | 82 | 1966年3月4日 |
PF | 31 | カート・ランビス(Kurt Rambis) | 203 | 97 | 1958年2月25日 |
C | 41 | マーク・ウエスト(Mark West) | 208 | 104 | 1960年11月5日 |
PG | 32 | ネーゲル・ナイト(Negele Knight) | 185 | 79 | 1967年3月6日 |
C | 25 | オリバー・ミラー(Oliver Miller) | 206 | 97 | 1970年4月6日 |
SF | 21 | リチャード・ドゥーマス(Richard Dumas) | 201 | 91 | 1969年5月19日 |
PF | 8 | ティム・ケンプトン(Tim Kempton) | 208 | 111 | 1964年1月25日 |
PF | 24 | トム・チェンバース(Tom Chambers) | 208 | 100 | 1959年6月21日 |
PG | ポイントガード |
SG | シューティングガード |
SF | スモールフォワード |
PF | パワーフォワード |
C | センター |
NBAファイナル1993のシリーズ概要
それではいよいよNBAファイナル1993の試合の結果を見ていきましょう!
1992-93シーズンのNBAチャンピオンは「シカゴ・ブルズ」。
チームとしては3年連続6回目の優勝となりました。
対戦成績は4勝2敗。
詳細な試合結果は以下のとおりです。
試合 | 日付 | アウェイ | 結果 | ホーム |
---|---|---|---|---|
1 | 6月9日 | シカゴ・ブルズ | 100-92 | フェニックス・サンズ |
2 | 6月11日 | シカゴ・ブルズ | 111-108 | フェニックス・サンズ |
3 | 6月13日 | フェニックス・サンズ | 129-121 | シカゴ・ブルズ |
4 | 6月16日 | フェニックス・サンズ | 105-111 | シカゴ・ブルズ |
5 | 6月18日 | フェニックス・サンズ | 108-98 | シカゴ・ブルズ |
6 | 6月20日 | シカゴ・ブルズ | 99-98 | フェニックス・サンズ |
ファイナルMVPは「マイケル・ジョーダン」。
6試合中4試合で40得点以上を記録し、シリーズ平均41得点を残したジョーダンが史上初の3年連続ファイナルMVPを受賞しました。
NBAファイナル1993の試合の概要
ここからは試合のさらに詳細な流れをお伝えしていきます。
マイケル・ジョーダンを中心に置いたチーム構成でシカゴ・ブルズが1度目の3連覇を成し遂げたシーズンのNBAファイナルを一緒に見ていきましょう!
第1戦(100-92 シカゴ・ブルズ Win)
NBAファイナルの1回戦はフェニックス・サンズのホーム「アメリカ・ウエスト・アリーナ(現フットプリント・センター)」で始まりました。
1976年以来の実に17年ぶりのファイナルに歓喜に沸くアメリカ・ウエスト・アリーナでしたが、この日は3連覇を目指すブルズがサンズを圧倒し会場を静まり返らせました。
第1Qからホーレス・グラントの活躍でスタートダッシュに成功したブルズは第2Qもその勢いは続き、52-41の11点リードで前半を折り返します。
後半に入るとサンズも反撃を開始しますが、ブルズもB.J.アームストロングの3ポイントが連続で決まりリードを守ると、第4Qにはマイケル・ジョーダンが14得点挙げサンズに追いつく隙を与えることなく勝利。
ブルズがサンズのホームコートアドバンテージを消し去る1勝をあげました。
この日ブルズはジョーダンが31得点、ピッぺンが27得点とチームを牽引。
一方ニックスはチャールズ・バークレーがシュート精度に苦しみ21得点に終わり、得点を伸ばすことができませんでした。
第2戦(111-108 シカゴ・ブルズ Win)
ブルズリードで迎えた第2戦。
ホームでの第1試合を落としたサンズはこの試合は落とすまいと序盤から決死の猛攻に出ます。
チャールズ・バークレーを中心に得点を重ね王者ブルズ相手に優勢に試合を進めますが、ブルズも怯むことなく得点を返し続け前半のうちに逆転をして59-53のブルズ6点リードで前半を折り返します。
後半に入ると再度サンズが攻勢を強め点差を3点まで縮めて勝負は第4Qへ。
第4Qは両者互角の殴り合いとなりますが、最後まで点差を守り続けたブルズが3点リードで試合は最終局面を迎えます。
3点を追うサンズは最後のシュートをこの日好調だったダニー・エインジに託しますが、エインジが放った3ポイントをピッペンが衝撃のブロックで防ぎブルズが勝利しました。
この日ブルズはジョーダンが42得点12リバウンド9アシスト、ピッペンが15得点12リバウンド12アシストとチームの勝利に貢献。
サンズもバークレーが42得点13リバウンド、エインジが20得点と健闘しますが、勝負所でブルズに競り負ける結果となりました。
第3戦(129-121 フェニックス・サンズ Win)
ブルズ2連勝で迎えた第3戦。
舞台はシカゴ・ブルズのホームアリーナ「シカゴ・スタジアム」に移ります。
ホームでの2連敗でこの試合を負ければ後がないサンズはヘッドコーチのポール・ウェストファルによるマッチアップを総入れ替えするという奇策を実行しました。
この奇策が功を奏したのかブルズホームにも関わらず前半から互角な勝負を繰り広げることに成功し、前半を58-57とサンズが1点リードで折り返します。
後半もここまで競り勝っているブルズが優勢かと思われましたが、サンズが決死のディフェンスでブルズの攻撃を耐え試合は同点のままタイムアップ。
延長戦へ突入します。
しかし延長戦が始まってもなかなか勝負はつかず、ダブルオーバータイム、さらにはトリプルオーバータイムにもつれ込む大接戦に。
両者疲れが見え始めてはいましたが、トリプルオーバータイムにサンズがついに流れを掴み、ダン・マーリーの3ポイントなどで9連続得点に成功。
最後はブルズの攻撃をエースのバークレーがスティールし、勝利の雄叫びと共にダンクを決めて勝利を決定づけました。
第4戦(105-111 シカゴ・ブルズ Win)
依然ブルズリードで迎えた第4戦。
確かにホームアドバンテージはブルズにありましたが第3戦の気迫の勝利によりサンズも勢いを取り戻しており、王手をかけたいブルズとタイに戻したいサンズの絶対に負けられない一戦です。
そんな中始まった試合は両チーム闘志剥き出しの死闘となりました。
序盤はブルズリードで試合が展開しましたが、第2Qにはサンズが反撃し58-61のブルズ3点リードで試合は折り返します。
後半は両者得点の取り合いとなりましたが、点差をリードしているブルズをサンズが追いかけるという展開が続き勝負は最終局面へ向かいます。
第4Q終盤にサンズが最後の反撃をみせ残り時間3分33秒でついに105-107の2点差へと詰め寄りますが、勝負所でエインジがケビン・ジョンソンへ甘いパスを入れてしまい、それを見逃さなかったジョーダンがスティールからの速攻をエンドワンの3点プレイで決め点差は4点に。
結局このプレイがトドメとなり点差を守り切ったブルズが勝利を掴みました。
この試合ブルズは55得点8リバウンドと大暴れでブルズを牽引。
サンズはバークレーが負けじと32得点12リバウンド10アシストのトリプルダブルで対抗しますが、勝負所を取り逃がす結果となりました。
第5戦(108-98 フェニックス・サンズ Win)
ブルズが3連覇に王手で迎えた第5戦。
後がないサンズはこの状況でのブルズホームでの試合で絶対絶命のように思われましたが、選手たちは全く怖気付いてはいませんでした。
試合が始まると3連覇を目撃したいブルズファンが大歓声をあげますが、逆に火のついたサンズは序盤から12点差のリードを奪いアリーナの雰囲気を落ち着かせます。
その後ブルズの反撃を受けますが、前半は54-49のサンズ5点リードで折り返します。
さらに後半が始まるとバークレーはシュート精度に苦しむもののケビン・ジョンソンやリチャード・ドゥマスが次々とシュートを決め、そのままブルズに反撃の糸口を掴ませずに勝利してしまいました。
この日はブルズが3連覇を成し遂げることが期待されていたため、シカゴの街は試合前から異様な雰囲気に包まれていました。
ニュースや新聞では暴動を起こさないようにとの呼びかけがされており、商店は店をしまいビニールシートで覆うなど対策をしている店があるほど。
そんな中行われた試合では街の様子を見たサンズの選手たちがこの日の合言葉に「シカゴの街を救え」と言っていたことが話題となりました。
第6戦(99-98 シカゴ・ブルズ Win)
運命の第6戦。
ブルズが3勝2敗で優勝に王手をかけたまま舞台はサンズのホームに戻ります。
ホームでの2連敗に始まりスイープ負けかと思われた状態からブルズホームでの試合をまさかの2勝1敗と勝ち越し、再びフェニックスに帰ってきたサンズをファンは大歓声で迎えました。
しかし試合が始まるとブルズが序盤から猛攻を仕掛け一気に点差を離すとその後は終始ブルズがリードを保つ展開となり、サンズは苦しい時間が続きました。
なかなか反撃の糸口が掴めず試合は87-79のブルズ8点リードで第4Qへと突入。
すると負けられないサンズがディフェンスから流れを掴み反撃を開始しました。
第4Qはサンズのディフェンスがブルズを完全にシャットアウト。
ジョーダン以外の得点を一切許さず、その間に点差を縮めて残り6分9秒でダン・マーリーの3ポイントが決まってついに逆転に成功します。
一方突然のピンチに陥ったブルズは焦りからかオフェンスが乱れ、24秒バイオレーションを立て続けに犯すなど完全に停滞してしまいます。
勝負は第7戦にもつれ込むかと思われましたが、ここで1人勝機を狙っていたのがマイケル・ジョーダンでした。
試合時間残り43秒でサンズ4点リードの場面、ついに動いたジョーダンはデュマスのシュートが外れたのを見るとすかさずディフェンスリバウンドをもぎ取り、そのまま自陣ゴールまで1人で駆け抜けます。
後に”グライダー”と呼ばれるあまりにも早いコース・トゥー・コーストを披露し2点差とすると、その後のサンズの攻撃が外れ、14秒を残してボールは再度ジョーダンの手に。
当然サンズはジョーダンにだけは打たせまいと厳しくマークしたため、ジョーダンはピッペンにパス。
さらにピッペンがコーナーのパクソンにパスをし、残り3.1秒。
パクソンが逆転となる3ポイントを決めブルズが逆転しました。
サンズの最後の反撃もホーレス・グラントが見事なブロックショットで抑え込みブルズが劇的な逆転勝利で3連覇を成し遂げました。
まとめ
今回は「NBAファイナル1993 シカゴ・ブルズ VS フェニックス・サンズ」の対決をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
ブルズの3連覇は1960年代にビル・ラッセル率いるボストン・セルティックスが成し遂げて以来史上2チーム目、ファイナルMVPを3年連続で取ったジョーダンは史上初の快挙となりました。
チームのピンチで必ず活躍し、チームを勝たせ続けたからこそジョーダンの伝説はこんなにも色褪せないんだと感じた一戦でした。
やはりNBAファイナルはドラマがあって面白いですね!
他の年のNBAファイナルも同じように紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!
それではまた次の記事でお会いしましょう!