2025年にバスケットボール殿堂入りを果たした「ドワイト・ハワード」。
NBA史上初となる3年連続での最優秀守備選手賞をはじめ、キャリアを通じて多くの個人賞を受賞したレジェンドの1人です。
ただ、その輝かしいキャリアの裏で、NBA優勝になかなか届かなかった苦労人としても知られています。
2008年のダンクコンテストでスーパーマン格好をしていた印象が強い方も多いと思いますが、果たしてどんな選手だったのでしょうか?
この記事ではそんなドワイト・ハワードのプロフィールやプレイスタイルはもちろん、彼が歩んだNBA時代のストーリーに至るまで詳しくご紹介していきますので、興味のある方はぜひ最後までご覧くださいね!
目次
ドワイト・ハワードのプロフィール
筋骨隆々な肉体と類稀な身体能力で全盛期にはNBA屈指のインサイドプレイヤーだった「ドワイト・ハワード」。
身長211cm、120kgという体格からは考えられないようなジャンプ力を持ち、相手の上から叩き込むダンクシュートやゴールのはるか上にあるボールをブロックする姿が印象的な選手です。
体育の先生である父親と、元プロバスケットボール選手の母親の間に生まれたハワードは、幼い頃からバスケに触れ、高校卒業時には圧倒的世代No.1プレイヤーとなっており、高校卒業後すぐにドラフトエントリーが可能だった当時のNBAにおいて圧倒的ポテンシャルを持つルーキーとして全体1位指名を受けました。
トレードマークの陽気な笑顔とNBA史上初となる3年連続での最優秀守備選手賞を受賞するほどの圧倒的スター性で多くのファンに愛されたハワード。
全盛期はなかなか優勝に届かず、笑顔が裏目に出て批判を多く受けた選手ではありましたが、キャリア晩年にロサンゼルス・レイカーズで果たした悲願の優勝は多くのNBAファンに感動を与えました。
2025年にバスケットボール殿堂入りを果たしていますが、それに相応しい功績を残したレジェンドだと言えるでしょう。
ドワイト・ハワードが残した記録
特にディフェンス面において類稀な才能を持っていたドワイト・ハワード。
世界最高峰のNBAの中でもインサイドにおいて群を抜いた存在感を誇っており、全盛期には同じオーランド・マジックでドラフト1位指名を受けたレジェンドセンター「シャキール・オニール」と比較されるほどの選手でした。
特に3年連続となった最優秀守備選手賞(2009年〜2011年)はNBA史上初の出来事であり、そのほかにもリバウンド王5回、ブロック王2回ととにかくディフェンスにおいては敵なしといったところでしょう。
また、キャリアのハイライトとして語らずにはいられない2008年のスラムダンクコンテストでは、スーパーマンのコスチュームを着用し、人間とは思えないジャンプ力でリングのはるか上からボールを投げ込むようなダンクシュートで見事優勝を果たしています。
【ドワイト・ハワードが残した記録】
NBAチャンピオン : 1回(2020)
NBAオールスターゲーム出場 : 8回(2007〜2014)
リバウンド王:5回(2008, 2009, 2010, 2012, 2013)
ブロック王:2回(2008, 2009)
NBA最優秀守備選手賞:3回(2009〜2011)
NBAオールルーキー1stチーム(2005)
オールNBAチーム
1stチーム:5回(2008〜2012)
2ndチーム:1回(2014)
3rdチーム:2回(2007, 2013)
NBAオールディフェンシブチーム
1stチーム:4回(2009〜2012)
2ndチーム:1回(2008)
NBAスラムダンクコンテスト優勝:1回(2008)
ドワイト・ハワードのプレイスタイルは?魅力的なポイント3選
NBAで1度の優勝や3度の最優秀守備選手賞受賞など輝かしい功績を残しているドワイト・ハワードですが、実際に全盛期のプレーを見たことがないという方も多いのではないでしょうか?
続いてはそんなドワイト・ハワードのプレイスタイルの魅力について3つのポイントを解説していこうと思います。
プレイスタイルの魅力①迫力満点の「ダンクシュート」
ドワイト・ハワードの魅力といえば、まず思い浮かぶのは迫力満点のダンクシュートでしょう。
良くも悪くも得点シーンのほとんどがダンクシュートであり、普通の選手ならば押さえ込まれている場面でも、ハワードの場合はその筋骨隆々な肉体をもって相手の上から叩き込んでいる姿が印象的です。
特に2008年のスラムダンクコンテストはハワードの魅力がつまりに詰まった大会となっていますので、まだ見たことがない方は最後のスパーマン姿でのダンクシーンだけでも見て見てくださいね!
プレイスタイルの魅力②バレーのスパイクのような「ブロック」
ドワイト・ハワードの肉体が最も効果的に使われていたのはディフェンスの時であり、特にまるでバレーボールのスパイクかのような「ブロック」は間違いなく魅力の1つと言えるでしょう。
YouTubeなどでハワードのブロックのハイライトを調べればいくらでも出てくると思いますが、叩いたボールがそのまま観客席まで一直線に飛んでいく姿は圧巻です。
全盛期には常にシーズン平均3ブロックを超えているような印象で、2度のブロック王を受賞していることからもNBA屈指のブロック力を持っていたことは間違いありません。
プレイスタイルの魅力③圧倒的フィジカルによる「インサイドプレイ」
ドワイト・ハワードのプレイスタイルを一言で言えば圧倒的フィジカルによる「インサイドプレイ」です。
どんなに有利なポジションでディフェンスをしてもフィジカルで状況を逆転されてしまう、「わかっていても止められない」の典型のような選手だったと言えるでしょう。
それら全てを支えているのがボディビルダーのような筋骨隆々の肉体であり、それがもともと持っていた類稀な身体能力と掛け合わされたことで時代を代表するセンターの1人となったのです。
NBA時代のストーリー
さて、ここからはドワイト・ハワードのNBA時代のストーリーをご紹介します。
高校卒業後すぐにNBA入りを果たしたルーキーがどのようにしてNBAレジェンドへと成り上がったのか、そのストーリーを見ていきましょう!
マジック時代:ドラ1ルーキーからNBA史上屈指のセンターへ
2004年ドラフトにてNBA史上最後の高卒ルーキーの1位指名としてオーランド・マジックに加入したドワイト・ハワードは、NBA入り当初はポテンシャルに期待されての指名でしたが、ルーキーシーズンからその期待をいい意味で裏切る活躍を残します。
みるみるうちにオーランド・マジックの大黒柱となったハワードは、キャリア4年目にはチームを4年ぶりとなるプレイオフ進出に導きながら個人としてもオールスターやオールNBAチームに選出されるなど、名実ともにNBAを代表するビックマンへと成長。
特に2008-09シーズンは凄まじく、1試合平均20.6得点、13.8リバウンド、2.9ブロックを記録し、リバウンド王とブロック王の二冠同時受賞とともにここから3年連続で受賞することになる最優秀守備選手賞も受賞して「リーグトップセンター」の座を不動のものとしました。
しかしチーム成績はなかなか振るわず、2009年のプレイオフにて唯一NBAファイナルにまで到達したものの結局NBA優勝には手が届かないまま8シーズンが経過。
なかなか優勝できるメンバーを揃えることができない運営に嫌気がさしたハワードは、とうとうオーランド・マジックに別れをつげる決断をしたのでした。
さまざまなチームを転々とするも、結果を残せず
4チームが絡む大型トレードによってオーランド・マジックからロサンゼルス・レイカーズに移籍したハワードは、スティーブ・ナッシュ、コービー・ブライアントらと共に夢のスーパーチームを結成します。
しかしその結果はファンの期待を大きく裏切るもので、全く噛み合わなかったチームは最終的にコービー・ブライアントのアキレス腱断裂という最悪の形で崩壊することとなってしまいました。
レイカーズから僅か1年で、今度はヒューストン・ロケッツに移籍したハワードは、今度は成長中のスーパースターであるジェームズ・ハーデンとプレイをすることに。
ロケッツではハワードも全盛期に近しいプレイは見せていましたが、在籍した3年間チームはプレイオフで敗れ、この頃からおちゃらけた態度が問題視され始めていたハワードはまたもトレードされることになってしまうのでした。
その後はアトランタ・ホークス、シャーロット・ホーネッツ、ワシントン・ウィザーズと1年ごとにチームを変えるもフィットせず、かつてリーグトップセンターとまで呼ばれた男はついにほとんど出場機会を得られない選手になってしまったのです。
レイカーズで悲願の初優勝、NBA引退へ
NBA優勝という夢を諦め切れなかったハワードに転機が訪れたのは、2019-20シーズンのロサンゼルス・レイカーズとの再契約でした。
それまでのスター選手でありたいというプライドを捨て、アンソニー・デイビスの控え選手としての立場を受け入れて臨んだ1シーズンにて、ついに自身初となるチャンピオンリングを獲得したのです。
優勝後のインタビューにて涙ながらに語った「夢を諦めるな」という言葉は、多くのNBAファンに感動を与えた伝説的シーンとなっています。
その後。フィラデルフィア・76ersで1シーズンを過ごし、再びロサンゼルス・レイカーズにて1シーズンを終えたのちに引退。
その18年という長いNBAキャリアは決して順風満帆ではなかったですが、殿堂入りに相応しいレジェンドの1人であることは間違いないでしょう。
NBA引退後は台湾リーグで活躍
NBAは事実上の引退をしたものの、選手としては現役でい続けていたかったハワードは、台湾のプロリーグ、通称T1リーグに所属する「桃園レオパーズ(タオユエン・レオパーズ)」への加入を発表。
正直NBAよりもレベルはかなり落ちてしまうものの、自身を「必要としてくれる場所」で中心選手として輝くことを望んだ結果だったそうです。
この時T1リーグは発足2年目で選手が十分に育っていなかったこともあり、ハワードは開幕戦で38得点、25リバウンド、9アシストを叩き出し、元NBA選手の実力を証明しました。
結局台湾リーグで活躍したのは2022-2023シーズンの1シーズンのみで、その後は選手としての出場はなく、2024年からは台湾マスタングスという新チームの共同オーナーに就任したことが報道されました。
ドワイト・ハワードのキャリアスタッツ
最後に、ドワイト・ハワードのキャリアスタッツについて「レギュラーシーズン」と「プレイオフ」に分けてご紹介していきます。
レギュラーシーズン (2004-05シーズン〜2021-22シーズン)
| シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
| 04-05 | 19 | ORL | 82 | 32.6 | 12.0 | 10.0 | 0.9 | 52.0 | 0.0 | 67.1 | 0.9 | 1.7 | 2.0 |
| 05-06 | 20 | ORL | 82 | 36.8 | 15.8 | 12.5 | 1.5 | 53.1 | 0.0 | 59.5 | 0.8 | 1.4 | 2.6 |
| 06-07 | 21 | ORL | 82 | 36.9 | 17.6 | 12.3 | 1.9 | 60.3 | 50.0 | 58.6 | 0.9 | 1.9 | 3.9 |
| 07-08 | 22 | ORL | 82 | 37.7 | 20.7 | 14.2 | 1.3 | 59.9 | 0.0 | 59.0 | 0.9 | 2.1 | 3.2 |
| 08-09 | 23 | ORL | 79 | 35.7 | 20.6 | 13.8 | 1.4 | 57.2 | 0.0 | 59.4 | 1.0 | 2.9 | 3.0 |
| 09-10 | 24 | ORL | 82 | 34.7 | 18.3 | 13.2 | 1.8 | 61.2 | 0.0 | 59.2 | 0.9 | 2.8 | 3.3 |
| 10-11 | 25 | ORL | 78 | 37.6 | 22.9 | 14.1 | 1.4 | 59.3 | 0.0 | 59.6 | 1.4 | 2.4 | 3.6 |
| 11-12 | 26 | ORL | 54 | 38.3 | 20.6 | 14.5 | 1.9 | 57.3 | 0.0 | 49.1 | 1.5 | 2.1 | 3.2 |
| 12-13 | 27 | LAL | 76 | 35.8 | 17.1 | 12.4 | 1.4 | 57.8 | 16.7 | 49.2 | 1.1 | 2.4 | 3.0 |
| 13-14 | 28 | HOU | 71 | 33.7 | 18.3 | 12.2 | 1.8 | 59.1 | 28.6 | 54.7 | 0.8 | 1.8 | 3.2 |
| 14-15 | 29 | HOU | 41 | 29.8 | 15.8 | 10.5 | 1.2 | 59.3 | 50.0 | 52.8 | 0.7 | 1.3 | 2.8 |
| 15-16 | 30 | HOU | 71 | 32.1 | 13.7 | 11.8 | 1.4 | 62.0 | 0.0 | 48.9 | 1.0 | 1.6 | 2.3 |
| 16-17 | 31 | ATL | 74 | 29.7 | 13.5 | 12.7 | 1.4 | 63.3 | 0.0 | 53.3 | 0.9 | 1.2 | 2.3 |
| 17-18 | 32 | CHO | 81 | 30.4 | 16.6 | 12.5 | 1.3 | 55.5 | 14.3 | 57.4 | 0.6 | 1.6 | 2.6 |
| 18-19 | 33 | WAS | 9 | 25.6 | 12.8 | 9.2 | 0.4 | 62.3 | 0.0 | 60.4 | 0.8 | 0.4 | 1.8 |
| 19-20 | 34 | LAL | 69 | 18.9 | 7.5 | 7.3 | 0.7 | 72.9 | 60.0 | 51.4 | 0.4 | 1.1 | 1.2 |
| 20-21 | 35 | PHI | 69 | 17.3 | 7.0 | 8.4 | 0.9 | 58.7 | 25.0 | 57.6 | 0.4 | 0.9 | 1.6 |
| 21-22 | 36 | LAL | 60 | 16.2 | 6.2 | 5.9 | 0.6 | 61.2 | 53.3 | 65.8 | 0.6 | 0.6 | 0.8 |
オーランド・マジックで8シーズンを過ごしたのちに、チームを転々とするキャリアを送ったドワイト・ハワード。
全盛期には20得点、10リバウンド、2ブロックという驚異的なディフェンス力を誇り、リーグトップセンターの名をほしいままにしていました。
ただ、着目して欲しいのはロサンゼルス・レイカーズで優勝を果たした2019-20シーズン。
コロナによる短縮シーズンではあったものの、出場時間わずか18.9分の中でも7.3リバウンド、1.1ブロックという確かな成績を残し、バックアップセンターとして完璧にチームを支え切りました。
プレイオフ(計12シーズン)
| シーズン | 年齢 | チーム | 出場試合 | 出場時間 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG確率 | 3PT確率 | FT確率 | スティール | ブロック | TO |
| 06-07 | 21 | ORL | 4 | 41.8 | 15.3 | 14.8 | 1.8 | 54.8 | 0.0 | 45.5 | 0.5 | 1.0 | 4.3 |
| 07-08 | 22 | ORL | 10 | 42.1 | 18.9 | 15.8 | 0.9 | 58.1 | 0.0 | 54.2 | 0.8 | 3.4 | 3.2 |
| 08-09 | 23 | ORL | 23 | 39.3 | 20.3 | 15.3 | 1.9 | 60.1 | 0.0 | 63.6 | 0.9 | 2.6 | 2.9 |
| 09-10 | 24 | ORL | 14 | 35.5 | 18.1 | 11.1 | 1.4 | 61.4 | 0.0 | 51.9 | 0.8 | 3.5 | 3.6 |
| 10-11 | 25 | ORL | 6 | 43.0 | 27.0 | 15.5 | 0.5 | 63.0 | 0.0 | 68.2 | 0.7 | 1.8 | 5.5 |
| 12-13 | 27 | LAL | 4 | 31.5 | 17.0 | 10.8 | 1.0 | 61.9 | 0.0 | 44.4 | 0.5 | 2.0 | 4.0 |
| 13-14 | 28 | HOU | 6 | 38.5 | 26.0 | 13.7 | 1.8 | 54.7 | 0.0 | 62.5 | 0.7 | 2.8 | 3.2 |
| 14-15 | 29 | HOU | 17 | 33.8 | 16.4 | 14.0 | 1.2 | 57.7 | 0.0 | 41.2 | 1.4 | 2.3 | 2.2 |
| 15-16 | 30 | HOU | 5 | 36.0 | 13.2 | 14.0 | 1.6 | 54.2 | 0.0 | 36.8 | 0.8 | 1.4 | 2.4 |
| 16-17 | 31 | ATL | 6 | 26.2 | 8.0 | 10.7 | 1.3 | 50.0 | 0.0 | 63.2 | 1.0 | 0.8 | 1.8 |
| 19-20 | 34 | LAL | 18 | 15.7 | 5.8 | 4.6 | 0.5 | 68.4 | 50.0 | 55.6 | 0.4 | 0.4 | 0.9 |
| 20-21 | 35 | PHI | 12 | 12.4 | 4.7 | 6.3 | 0.7 | 53.3 | 0.0 | 60.0 | 0.2 | 0.5 | 1.0 |
オーランド・マジックをエースとしてプレイオフ常連チームに導いたドワイト・ハワード。
レブロン・ジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズを破ってNBAファイナルまで勝ち進んだ2008-09シーズンは、20.3得点、15.3リバウンド、2.6ブロックとプレイオフ全体を通して驚異的な活躍を見せました。
しかし、やはりディフェンスの方が高い評価を得ていたハワードを中心のチームではオフェンス力がいまいち足りなかった印象であり、結果的にプレイオフで結果を残すことができずにチームを去ることとなってしまいました。
まとめ
圧倒的な身体能力でリーグ屈指のセンターとして君臨した「ドワイト・ハワード」。
スター選手として過ごしながら、なかなか優勝までは手が届かなかった全盛期。
プライドを捨て、ベテランとしてチームに貢献しながら悲願の優勝を果たしたキャリア晩年。
順風満帆なキャリアではありませんでしたが、ハワードのキャリアは多くのNBAファンに勇気を与えるものでした。
2008年に行われたダンクコンテストでは、バックボードの裏側から特に難易度の高いウィンドミルダンクを決めたり、かの有名なスーパーマン姿でのダンクを決めたりするなど圧倒的なパフォーマンスで優勝した姿は記憶に残っているファンも多いはずです。
「まだ見たことない!」という方はYouTubeなどに動画が上がっているので、ぜひ一度見て見てくださいね!