NBA伝説の男たち

グラント・ヒル|“ネクストジョーダン”と呼ばれながらも怪我で泣くキャリアを送ったレジェンド

2018年にバスケットボール殿堂入りを果たした「グラント・ヒル」。

1990年代にはリーグを代表するスター選手の1人だったにも関わらず、怪我によって十分な才能を発揮することができずに全盛期を終えてしまったことから、最近NBAを見始めた方はあまりよく知らないプレイヤーなのではないでしょうか?

 

そこでこの記事では、そんなグラント・ヒルが現役時代どんな選手だったのかを詳しくご紹介していこうと思います。

彼が残した功績やエピソードをもとにグラント・ヒルの魅力を語っていきますので、彼が残した19年間というキャリアを一緒に紐解いていきましょう。

 

“ネクストジョーダン”と呼ばれながらも怪我で泣くキャリアを送ったレジェンド

マイケル・ジョーダンが1度目の引退を宣言した翌年にあたる1994年NBAドラフトにて全体3位で指名を受け、そのルーキー離れしたカリスマ性と圧倒的なバスケの実力で“ネクストジョーダン”の呼び声も高かった「グラント・ヒル」。

一方で、キャリア序盤はマイケル・ジョーダン本人やスコッティ・ピッペンらと並ぶほどの評価を受けていた選手だったにもかかわらず、大怪我によってその才能を十分に発揮することができなかった選手としても知られています。

 

ただ、大怪我による体の変化を潔く受け入れたヒルはプレースタイルを身体能力をあまり活用しないシューターへと大きく変更し、チームを支えるベテランとして息の長いキャリアを全う。

全盛期が短くオールスターやオールNBAチームなどの功績こそあまり多くはないものの、鮮烈デビューから大怪我を乗り越え長くNBAで活躍し続けたグラント・ヒルという存在は、当時を知るファンの心に強く残り続けています。

 

【グラント・ヒルの主な功績】

オールスター;7回(1995〜1998, 2000, 2001, 2005)

オールNBAチーム
・ファーストチーム:1回(1997)
・セカンドチーム:4回(1996, 1998〜2000)

新人王(1995)

 

ジェイソン・キッドと共に「新人王」を同時受賞

稀代のルーキーとして鮮烈デビューを果たしたグラント・ヒルですが、実はキャリア1年目にして非常に面白い功績を残した選手としても知られています。

それがNBA史上唯一の「新人王」同時受賞。

 

キャリア1年目にして1試合平均19.9点、5.0アシスト、6.4リバウンド、1.8スティールというオールラウンドな成績を残しヒルは、同じくオールラウンドに活躍した同期ドラフト2位のジェイソン・キッドと共に新人王に相応しいと評価されたわけですね。

ただ、オールスターではあのシャキール・オニールを抑えてアメリカスポーツ史上初となる“ファン投票1位を獲得した新人”となるなど当時のグラント・ヒルの人気は凄まじく、熱狂的なファンからはこの同時受賞という結果に不満の声も多く挙がりました。

 

真相は分かりませんが、得点はグラント・ヒル、リバウンドやアシストはキッドに軍配があがるという状況で、マイケル・ジョーダンの後釜を探していた当時のNBAとしても期待の若手を1人に絞るのは惜しいという判断だったのではないでしょうか。

 

【プレースタイル】203cmの長身と卓越した身体能力を持ち合わせたオールラウンダー

将来のNBAの顔を期待されるほどの実力を持っていたグラント・ヒルですが、そんな彼の全盛期でのプレースタイルを一言で表現するのであれば「オールラウンダー」。

203cmの身長と類稀なしたい能力を持ち、鋭いドライブ、広い視野とパスセンス、高いバスケIQによるリバウンド、堅実なディフェンス力とあらゆるプレーを高いレベルでこなすことができる選手でした。

 

一方、怪我によって全盛期ほどの身体能力を発揮うすることができなくなった後は、得意だったドライブを極力封印し、高精度のジャンプシュートで得点するシューターへとスタイルを変更。

ただ、それでも時折見せる素早いドライブや高いバスケIQによる先読みでのディフェンスは健在で、特にファニックス・サンズ時代はマッチアップした相手を十分苦しめる実力を持ったベテランプレイヤーとして高い評価を受けていました。

 

1度のキャリアの中でプレースタイルを大きく変え、19シーズンという長いキャリアを歩んだヒルの存在は、後世のNBA選手たちにも希望を与えたことは間違い無いでしょう。

 

怪我に泣いた“悲劇の天才”グラント・ヒルのキャリアを
所属チームごと3つの時代に分けて紹介

さて、ここからはいよいよグラント・ヒルの偉大なNBAキャリアについて詳しくお話ししていこうと思います。

“ネクストジョーダン”と呼ばれながらも怪我に泣いた“悲劇の天才”の19年間に渡る戦いのストーリーを一緒に見ていきましょう!

 

デトロイト・ピストンズ時代:
鮮烈デビューから一気に全盛期へ

ジェイソン・キッド、レイ・アレン、スティーブ・ナッシュなど数々のレジェンドを輩出した1994年NBAドラフトにて、全体3位という好順位で指名を受けNBA入りを果たしたグラント・ヒル。

大学時代に全米連覇を達成し、満を持してNBA入りを決断したヒルの人気はデビュー当時から以上なほど高かったものの、ヒルの実力は本物であり、その期待にしっかりと応えたことでデビュー1年目でいきなりスター選手の地位を確立してしまったのです。

 

オールスター投票ではいきなりファン投票1位を獲得し、新人ながらにオールスターのスタメンに選出。

ちなみに、キャリア2年目には復帰を果たしたマイケル・ジョーダンを抑えて再びファン投票1位を獲得しており、この頃から“ネクストジョーダン”の地位を本格的に望まれるようになっていました。

 

デトロイト・ピストンズ時代のヒルの活躍は凄まじく、そのオールラウンダー性を遺憾なく発揮してトリプルダブル(得点、アシスト、リバウンド全てで2桁以上の数字を記録する偉業)を連発。

それでもヒル以外のスター選手がいなかったピストンズは毎年プレイオフ序盤で敗退し、勝てないチームに不満を持ったヒルは優勝を狙えるチームへと移籍を希望するようになってしまったのでした。

 

オーランド・マジック時代:
スターとして移籍するも度重なる怪我に苦しむ7年間

キャリア6年目を終えたヒルは、オフシーズンにベン・ウォーレスらとのトレードによってオーランド・マジックに移籍。

オーランド・マジックは同じ年にトロント・ラプターズから期待の新星トレイシー・マグレディを獲得しており、ヒルとマグレディというリーグ屈指の実力を持った若手デュオには大きな期待がかかっていました。

 

しかし、ここからグラント・ヒルにとって大きな試練が待ち構えていました。

マジック移籍後わずか4試合目にして足首の骨折という大怪我を負ったヒルは、その後も怪我の影響から手術を繰り返し、移籍後の4シーズンでわずか47試合のみの出場に留まります。

マジックでの4シーズン目にあたる2004-05シーズンには復帰を兆しを見せたものの、シーズン最終盤に怪我を再発したことでプレイオフを逃し、翌2005-06シーズンには新たに発症したヘルニアで再び手術になるなど、一時は引退が囁かれるほどにヒルの体はボロボロになっていました。

 

フェニックス・サンズ時代以降:
プレースタイルを大きく変更してチームに貢献

2007年のオフ、フリーエージェントとなったグラント・ヒルに手を差し伸べたのはフェニックス・サンズでした。

2007年のフェニックス・サンズといえば同期のスティーブ・ナッシュを中心に「7秒オフェンス」という高速バスケを展開していたリーグ屈指の強豪チームであり、ヒルの悪夢のような数年間は新天地で大きな転機を迎えることとなったのです。

 

怪我の期間に磨いていたシュート力が身を結び、オフェンスではナッシュのパスを受けて得点を決めるシューターとして活躍しながら、ディフェンスでは高いIQを駆使した全盛期顔負けの対人能力を発揮。

優勝こそ叶わなかったものの、3年間連続で80試合以上にスタメンとして出場しながらチームに貢献するというヒルのキャリアにとっては大きな偉業を成し遂げたのです。

 

その後もベテランとしてチームを支え続けたヒルでしたが、最後は怪我の再発によってロサンゼルス・クリッパーズで1年を過ごしたのちに引退を発表。

怪我に悩まされ続けたキャリアだったものの、一時は引退が噂されるほどの状態から復活を果たすという映画のようなストーリーは多くのファンに感動を与えるものとなったのです。

 

契約ブランド「FILA」にブームをもたらした
シグネチャーモデル「GRANT HILL シリーズ」

デビュー時から絶大な人気を誇っていたグラント・ヒルは、ルーキーシーズンの1995年に異例となる自身初のシグネチャーシューズがリリースされました。

契約ブランドは当時あまりメジャーではなかった「FILA(フィラ)」でしたが、リリースされた「GRANT HILL 1(グラント・ヒル1)」は爆発的な人気を博すこととなったのです。

特に2作目として発売された「GRANT HILL 2(グラント・ヒル 2)」の人気は最も高く、当時のヒルの活躍の思い出と共に現在でも世界中のスニーカーファンの間で愛されるモデルとなっているんですよ!

 

グラント・ヒルの全盛期が怪我によって終わってしまったこともあってシリーズは全5作で終了となってしまいましたが、2015年には復刻版もリリースされるなど現在でもモデル自体は購入が可能。

FILAの公式サイトはもちろん、楽天市場やAmazonなどの大手ショッピングサイトでも購入が可能ですので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!

 

 

「GRANT HILL シリーズ」を チェックしてみる

 

 

まとめ

今回は“ネクストジョーダン”と呼ばれるほどの実力を持ちながら怪我によってなくキャリアを送ったレジェンド「グラント・ヒル」についてご紹介しました。

 

リーグの顔になる将来を期待されたエースが、一度は怪我でどん底を味わいながらも復活を果たすストーリーは、多くのNBAファンに感動と勇気を与えたことは間違いないでしょう。

ただその一方で、怪我さえなければどれほどの選手になっていたのか見てみたかったという思いはどうしてもありますね。

 

1998年のブルズ戦でスコッティ・ピッペン相手にかましたクロスオーバーはバスケファンなら必見のプレイだと思います。

全盛期のグラント・ヒルのプレーは本当に異次元ですので、見たことのない方はぜひYoutubeなどで探してみてくださいね!

-NBA伝説の男たち