NBA伝説の男たち

ウェス・アンセルド|小柄な身長ながらインサイドを支配したワシントンの絶対的リーダー

1980年以降NBAファイナルの舞台から遠ざかっているワシントン・ウィザーズですが、1970年代には黄金期があったことを知っていますか?

1970年代のワシントン・ウィザーズ(旧ボルティモア/キャピタル・ブレッツ)は4度のNBAファイナル進出と1度の優勝を果たしたリーグ屈指の強豪チームだったのです。

 

そんな伝説的なチームの中核選手として活躍していたのがウェス・アンセルドなのですが、活躍していたのが昔すぎて最近NBAを見始めた方にはほとんどその存在が知られていないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、そんな「ウェス・アンセルド」の現役時代がいかに偉大なものだったのかをご紹介しようと思います。

彼が残した功績やエピソードを元にウェス・アンセルドの魅力を存分に語っていきますので、時間と共に薄れてしまっている偉大なレジェンドのキャリアを一緒に解き明かしていきましょう!

 

1978年のワシントン・ブレッツはなぜ優勝できた?

ウェス・アンセルド個人の話をする前に、彼が所属していた時代のワシントン・ウィザーズ(旧ボルティモア/キャピタル・ブレッツ)がなぜ優勝できるほどの強豪チームだったのかについて話していきたいと思います。

 

1967年、リーグで最下位争いをしていたキャピタル・ブレッツ(現ワシントン・ウィザーズ)はアール・モンローとウェス・アンセルドという未来のレジェンド2人が加入したことによって一気に57勝25敗を記録するリーグ屈指の強豪へと進化。

残念ながらアール・モンローはその後放出することになってしまったものの、もう1人のインサイドの要であるエルヴィン・ヘイズや司令塔のトム・ヘンダーソン、稀代のオールラウンダーであるボブ・ダンドリッジらを加え、1970年代を代表するチームへと成長して行ったのでした。

 

1978年にはデニス・ジョンソン率いるシアトル・スーパーソニックスを第7戦に及ぶ激闘の末に破り、チーム史上初となる悲願のNBA優勝に輝いたブレッツ。

その中核となったのは間違いなくウェス・アンセルドとエルヴィン・ヘイズの強靭なインサイドであり、チームの絶対的リーダーでもあったアンセルドはファイナルMVPを受賞するにふさわしかった存在だと言えるでしょう。

 

弱小チームに黄金期をもたらした
ワシントンの絶対的リーダー

さて、ここからはそんなウェス・アンセルドの偉大さを彼個人の功績と共に語っていきたいと思います。

キャリアの全てを現在のワシントン・ウィザーズに該当するチームで過ごし、入団当初は弱小だったチームを絶対的なリーダーとして史上初のNBAチャンピオンにまで導いたレジェンド「ウェス・アンセルド」。

ウィルト・チェンバレンやカリーム・アブドゥル=ジャバーといった歴代屈指のビッグマンたちがひしめく1960年代〜70年代において、201cmという体格のハンデを負いながらも彼らと対等に渡り合った伝説的なセンターです。

 

“Bone-crusher(骨砕き)”という怖すぎる異名を持つほどに強靭な肉体を持っていたにもかかわらず、その力だけに頼ることなく頭脳的なプレーで自分より背の高いセンターたちを無力化していったアンセルド。

歴代屈指と称されたリバウンド力とワシントンでのチームにもたらした功績は殿堂入りするには十分すぎるものであり、ワシントン・ウィザーズで永久欠番となった背番号「41」と共に後世に語り継がれる選手となったのです。

 

【ウェス・アンセルドの主な功績】

NBAチャンピオン:1回(1978)

ファイナルMVP:1回(1978)

シーズンMVP:1回(1969)

オールスター:5回(1969, 1971〜1973, 1975)

オールNBAチーム
・ファーストチーム:1回(1969)

リバウンド王:1回(1975)

新人王(1969)

オールルーキー1stチーム(1969)

 

【プレースタイル】強靭な体幹とポジショニングで身長の不利を覆す天才リバウンダー

ここまで読んでいただいた方はもうわかったかもしれませんが、ウェス・アンセルドのプレースタイルを一言で表現するのであれば「リバウンダー」でしょう。

約201cmというNBAのセンターにしては非常に小柄な体格ながら持ち前の強靭な体幹と高度な予測からなるポジショニングによって身長の不利を覆し、NBA史上屈指のリバウンド力をもってゴール下を支配していました。

 

キャリア通算では得点が10.8得点に対してリバウンドが14.0本とその数値を上回っており、チーム事情的に自身が得点を取る必要がなかったとはいえお世辞にも得点力が高いとはいえません。笑

ただ、オフェンスでの役割が全くなかったわけではなく、特に自陣ゴール下から相手ゴールしたまで直接ボールを投げる「アウトレット・パス」は得意技の1つ。

このアウトレット・パスはウェス・アンセルドのリバウンド力と非常に相性がよく、ゴール下でリバウンドを奪取した後そのまま味方の速攻に繋げることでワシントン・ブレッツの速攻の基点として活躍しました。

 

バスケットボール殿堂入りは当然!
ウェス・アンセルドの偉大な伝説3選

1988年にバスケットボール殿堂入りを果たしたウェス・アンセルドですが、NBAファンの中でもイマイチその凄さがわからない方も多いはず。

そこで最後に、そんなウェス・アンセルドが残した数々の偉大な伝説の中から代表的なものを3つ厳選してご紹介し、彼の殿堂入りがいかに必然のものだったかを知っていただこうと思います。

 

伝説①:「平均9.0得点」でファイナルMVPを受賞

1つ目にご紹介するのは、ワシントン・ブレッツがNBA王者になった際にウェス・アンセルドが受賞したファイナルMVPに関する伝説。

アンセルドが優勝の立役者であったことは間違いないのですが、注目して欲しいのはそのスタッツ。

 

シリーズ平均約9.0得点、11.7リバウンド、3.9アシスト。

十分に素晴らしいのですが、ファイナルMVPを受賞するレベルかと言うと少し物足りなさを感じた方も多いのではないでしょうか?

特に平均9得点でのファイナルMVP受賞は前代未聞であり、NBA史上最低点でのファイナルMVP受賞者という記録に残ってしまっているほど。

 

ただ、ここからわかるのは、アンセルドがいかにスタッツに残らないようなスクリーンやボックスアウト、リーダーとしての声かけといった献身的なプレーをしていたかと言うこと。

平均得点が9点でもウェス・アンセルドがいなければブレッツの優勝はなかったと誰もが思うほどに存在感の大きな選手だったということですね!

 

伝説②:「新人王」と「シーズンMVP」の同時受賞

続いてご紹介するのは、ウェス・アンセルドを象徴する功績である「新人王」と「シーズンMVP」のダブル同時受賞。

キャリア1年目のルーキーながら平均13.8得点、18.2リバウンドという驚異的なスタッツを残したアンセルドは当然のように新人王を受賞すると、弱小チームをリーグ上位の強豪へと押し上げた実力が評価され、そのままシーズンMVPをも受賞してしまったのです。

 

この2つの賞を同時受賞したことがあるのはNBAの歴史上でもウィルト・チェンバレンとウェス・アンセルドの2人のみ。

あのNBA史上最強の怪物チェンバレンと並ぶ結果を持っているだけでも、ウェス・アンセルドが持つ功績の偉大さが分かるのではないでしょうか。

 

伝説③:ワシントン・ウィザーズでぶっちぎりの通算リバウンド記録保持者

最後にご紹介するのは、ウェス・アンセルドがワシントン・ウィザーズの通算リバウンド記録保持者だということ。

彼が13シーズンで残した13,769リバウンドは2位のエルヴィン・ヘイズに4,500本以上の差をつけてぶっちぎりの1位であり、NBA全体で見ても歴史上TOP20位以内には入るほどの大記録なんです。

 

得点面では控えめなアンセルドですが、出場試合数が多いため通算得点記録でもワシントン・ウィザーズ史上5位の記録を持つアンセルド。

圧倒的なリバウンド記録に関しては、アンセルドの脅威のリバウンド力とほとんど大きな怪我なく13シーズンを戦い抜いた耐久力の両方があったからこそ成し得た偉業だと言えるでしょう!

 

まとめ

今回はワシントンに史上唯一の優勝をもたらしたレジェンド「ウェス・アンセルド」についてご紹介しました。

いかがでしたか?

 

1970年代はNBAにとっても人気が低迷していた暗黒期であり、その時代に活躍していた選手たちは少し影が薄くなりがちですが、改めて見ると偉大な選手たちが数多く在籍していた時代でもあります。

ウェス・アンセルドもまたそんな選手の1人であり、弱小だったボルティモア・ブレッツを優勝まで導いた功績は殿堂入りするには十分すぎるものだと言えるでしょう。

 

白黒の時代の選手ですのでハイライト映えはしないかもしれませんが、低身長ながら自分よりも遥かに大きな選手からリバウンドを奪う姿は必見ですので、ぜひこの機会に彼のプレー集をご覧になってみたはいかがでしょうか?

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